人間は犬に過大な期待を
し過ぎではないだろうかと
思うことが最近良くあります。

「ただ、そこに
いてくれるだけ。
それだけでいい。」

そう思うことは
過剰なサービスや
過剰な感情の前には
あまりにも
地味で当たり前すぎて
物足りないのかもしれません。

私達は犬を
家族と言いながら
家族以上または
それ以下の扱いを
無意識にしているような
気がするのです。

彼らは動物です。

私達の生活の中に
違和感なく
存在していること自体が
奇跡と言っても
いい過ぎではないのです。

何かをしたり
させたりすることに
価値を見いだしたがって
存在そのものに
感謝を忘れてしまうのは
人間の悪い癖です。

吠えない犬 
噛まない犬
毛が抜けない犬
トイレを失敗しない犬
なんでも言うことをきく犬
放し飼いしても迷子にならない犬
どんなことをされても怒らない犬
散歩に行かなくていい犬
長いお留守番が出来る犬
家を片付けなくても
イタズラしない犬
一緒に寝てくれる犬
好きなだけ抱っこさせてくれる犬
賞状をたくさん取ってくれる犬
可愛い子犬を
たくさん産み続けてくれる犬

私達は
どれだけ
犬に期待や要求をすれば
気がすむのか。

そして、それらの
過剰な期待や要求は
犬達の自助努力だけでは到底
叶わないという現実を
飼い主一人一人が理解しなければ
物言わぬ彼らの
穏やかな犬生はないと思っています。