犬を正しく知ることは
飼い主と飼い犬の
絆の基礎になる
「愛着」を育むうえで
とても大切なことだと
感じています。

様々な場所で出会う
飼い主さんのなかには
犬を飼う前と飼ったあとでの
理想と現実のギャップに
悩まれる方が多くいます。
たいていは、悩みながらも
可愛さに
支えられている人が
ほとんどですが
これが深刻なレベルになったとき
または、そもそも
その人自身の
愛着機能が未発達な場合に
飼育放棄という選択肢を
選ぶのではないかなと
感じているのです。

「愛着」があれば
人は頑張れるものです。

もちろん、突然の病や
経済的な問題などで
飼いきれない場合も
あるかもしれませんが
「愛着」があれば
自らの手で
センターに持ち込み
飼育放棄を宣言する前に
その犬を引き取り
自分の代わりに
大切に育ててくれる人を
なんとか自分で
探したいと思う気持ちも
強くなると思うのです。

人間にとって
理解できないことは
大きなストレスになります。
犬の問題行動もそんな
ストレスのひとつかもしれません。

犬の問題行動は
人の正しい理解がないと解決しません。

人がそれを理解が出来ない限り
犬の問題行動は改善されませんから
その間、人は
犬の問題行動というストレスに
晒され続けることになります。

同じことをされても
その理由がわかっているのと
わからないのとでは
精神的に受けるダメージは
違ってくるものです。

飼い主の知識不足によって
問題行動を抱えてしまった犬の
根本的な原因を知ることは
問題自体が解決すること以上に
飼い主にとって
大切なことなのでは
ないかなと思っています。

犬は動物です。

命があるものですから
モノに対するような
所有欲を起点にした
「愛着」ではなく
相互理解を
起点にしたものでなければ
意味が異なってしまいます。

犬を飼う上での
事前の知識がなく
「愛着」が上手く
育っていなかったとしても
必要な正しい知識と
犬に対する深い理解を
後付けであっても
補填する事で
「愛着」を育ててもらい
犬との絆をより深めてもらうための
きっかけを作ることが
犬の躾を論じること以上に
大切なような気がしています。

犬に対しての
知識や理解が深まれば
無口だと思っていた彼らの
忙しないおしゃべりが
聞こえてくるようになります。

彼らの声を聞くためには
彼らの心の有り様を
知らなければなりません。

それには
彼らが発信する
あらゆるサインを観察し
彼らの会話に
耳を傾けることです。
多様性を受け入れる
それこそが
犬を飼うことの醍醐味であると
私は感じているのです。