犬に対する意識の高揚
ネット環境の拡充により
犬に関してのあらゆる情報が
一般の飼い主さんにも
行き届くようになりつつある現代。
犬はペットショップに
買いに行くものという意識や
躾けは専門の人に頼むという意識
その他にも、ひと昔前までの
常識とされていたことが
飼い主同士の
広範囲な知識や知恵の共有から
黙殺されてきた
業界全体の悪質な慣習が
あぶり出されて来ています。
向こう岸に
助けを求めてばかりいると
犬にとって、自分にとって
何が一番大切なのかを
見失うのは簡単です。
足元にある繋がりのなかで
一人一人が知識や知恵を
持ち合うことは
本来の人と犬の生活の質を
大きく向上させることになると
思っています。
犬の飼い方や
一般的な躾けの
考え方に対して生じる
温度差の根源は
犬のニーズを度外視した
商業ベースを優先させるが故の
意図的な情報操作にあると
言わざるを得ません。
先日、区が主催する
犬の無料セミナーに行ってきました。
80名という定員が満席に
なっていました。
悩みごとはなんですかの
問いかけに対して
飼い犬が
吠えや噛みなどの問題行動を
抱えていると答える人の多さに
驚くとともに
こうしたセミナーが担う
責任の大きさを感じました。
正直、このセミナーの内容は
問題行動を
起こさせないための関わり方も
問題行動を正すための方法の
明確な提示はなく…
犬種特性や年齢性別を利用して
飼い主の「諦め」を促したり、
〇〇理論という名の「餌付け」、
興奮を下げるための「投薬」や
噛んだ時にアザくらいですむようにという
しょうもない理由からの
「犬歯カット」の勧めでありました。
情けない。
薬漬けにすることが
犬歯をカットすることが
どうして、犬の福祉をうたうことに
なるのでしょうか?
ぬるま湯的な小難しい理論で
長い時間をかけても
徒労に終わることが多いからこそ
躾けは難しく
そもそもやろうとしない人が
増えてしまったのだと感じています。
躾けは犬との究極の
コミュニケーションです。
犬の寿命は短い。
長々とストレスを抱えて
生きていくのは
人にも犬にとっても
不幸なことだと思います。
オヤツのやり方は犬を選びます。
チカラずくなやり方は人を選びます。
その中間にある方法こそ
人と犬が無理なく出来る
犬を家族として愛する人による
犬を家族として愛する人の為の
方法だと思っています。
犬の問題は人次第です。
その事実は長い間
隠され続けてきました。
なぜなら
犬の悩みが即座に解決すると
食べていけない人が出るのです。
誰かの生活のために
自分や自分の犬を
犠牲にすることはない。
言い過ぎでしょうか?
ならばなぜ、こんなにも
悩みが解決しない人が
多いのでしょうか。
そもそも、問題を問題と
捉えられないこと
捉えさせないことこそが
大問題なのです。
ある時は犬のせいにし
ある時はわかっていながら
飼い主の無知を利用して
頑張らせる。
酷い話しです。
問題をしっかり捉えられたら
あとは、本人次第です。
わけがわからず悩むより
解決せずとも
ずっと前向きな状態になりますし
純粋な愛情があれば
乗り越えること自体は
わけがわからない時より
ずっと容易なはずだと思うのです。
犬のニーズを正しく理解し
躊躇わずに向き合う人が増えたなら
犬を取り巻く状況は
一変していくことでしょう。
商売は、経済は
人の前と後ろを走っています。
人が目先の情報に流されず
自分の頭で考え始めた時
ペット業界の流れは
私達飼い主の後方で
大きく変わらざるを
得なくなっていくのです。