一昨日の夜半から続いた大雨…
普段はさほど気にならない雨音ですが
あの日の夜に限っては
激しすぎる雨音に
殺気を感じ
夜中に目が覚めたくらいでした。
我が家は、なんの被害もありませんでしたが
茨城や栃木、東北の各地で
甚大な被害が出ています。

水は怖い。

ニュースはずっと
救助の様子を映し出しています。
二頭の犬を抱き抱えて
救助されたご夫婦。
自分のことのように見入ってしまいました。
同じような気持ちで
ご覧になった方も多いかもしれません。
あんな状態でありながら
犬がパニックにならなかったのは
日頃の躾=信頼関係の賜物だと思います。

人間、自分以外の
守るべきもののためには
思いがけないほどのチカラを
発揮したりします。
人の心を支えるには
その人の安全や安心もさることながら
その人にとってのかけがえのない命を
尊重し、守り与えることも
その後の心身や生活の復興のためには
必要なんだと思います。

被災地となって
避難場所と呼ばれる場所に行くと
当たり前ですが
人身が第一。
ペットの同行避難と言う言葉が
一般的になっては来たものの
現実は、追いついていません。

命がけで連れてきた命は
おそらく
その人自身の命と同じです。

それが、人でも動物であっても
変わらない重みを持つ命なのです。
私達飼い主が
心しなければならないのは
その自分にとっての
かけがえのない命が
他人に尊重されるためには
他人に迷惑をかけないことからしか
はじまりません。
避難所のような場所で
もし、犬が飼い主の指示に従えなければ
また、飼い主が従わせる気がなければ
他人からは、ただただ迷惑なだけです。

いざという時
人に社会に
受け入れて貰えるように育てなければ
どんなに愛情があっても
意味がないのです。

今回の被災地の茨城県は
野良犬や外飼いの犬などが
いまだに多い地域です。

犬達のなかには
繋がれていたり、ケージでの留守番で
逃げることも出来ずに
そのまま水に浸かり亡くなった子も
少なくなかったのではないかと思います。
突然の災害には
正直、なす術がないと
いうことの方が多いです。
飼い主の不在を乗り越え
なんとか、せっかく難を逃れ
どこかで、助けられたとしても
迷子札、マイクロチップが
装着されていなければ
生き別れで後悔するのは自分です。

「うちの子はとにかく元気でよく吠えます」
普段の生活では
自分さえ気にしなければ済む問題も
災害時には通用しません。

避妊去勢を先延ばしに
していたら
飼い主という保護者を失った時
喧嘩や望まない妊娠で
命を落とす可能性が増します。

すべては、その子が
いざという時に
生き延びやすくするための
飼い主としての配慮です。

正しい知識のもと
音や物、苦手な事を
克服させていくことは
個体のストレス耐性を鍛え
長い目で見た時や
回避が適わない状況に際し
犬のストレスの
根本的な軽減に繋がります。

人間ですら
ギリギリの状況ですから
犬を100%助けられる保証は
どこにもありませんが
僅かであっても
命が助かる可能性が
飼い方次第で
引き上げられる場合もあるのです。

非力なものの死は
より一層の哀しみにつながります。

縁あって結ばれた命ですから
少なくとも後悔のない飼い方を
自分自身のために
していきたいと思います。