我が家にリハビリステイしていた
真っ黒トイプーのリアン君。
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ステイの期間中
我が家の犬達と
様々な経験をしました。

初めてのお泊まり。
初めてのルイス(^_^;)。
知らない家での
初めてのご飯とトイレ。
四頭での散歩。
二頭での散歩。
一頭でのまったり散歩。

みんなとドライブ、ケージ無し。
ドッグランの見学
様々な人や犬達との交流。
初めてのドッグカフェ。

ルームランナー。

リハビリの目標は
生活全般にわたる
心身のバランスを整えること。

そのバランスが整ってはじめて
こちらの指示に従える
「犬の状態」になるのです。
指示に従えてこそ「犬」です。
オヤツより魅力的で
チカラより強力な
マンパワーこそ
犬を犬らしく育てるために
欠かせないのです。

犬の問題行動は
犬にとって
苦渋の決断の結果です。
だからこそ
関わる人間が
問題を軽視したり
問題を問題として認めないことや
犬には回避ばかりさせて
自分は我慢で乗り切るなど
問題の根本的解決を試みないことも
正直、ある種のネグレクトに
近いことのようにさえ
感じるのです。

今回、お預かりしたリアン君は
どこに連れて行っても大人気。
ブログを見て
リアン君を知っていた人からは
この子の何がダメなのと
聞かれるほどでした。

リアン君の問題は
飼い主家族に対しての
高いレベルの「威嚇」でした。
扱い方を間違えると
本気噛みになるレベルです。

あまりの「威嚇」の酷さから
様々なことを回避し続けた結果
リアン君にとって
快適な環境を与えることも
出来なくなってしまっていました。
不意にスイッチが入りますから
人も犬も常に緊張状態で
やってあげられないことばかり。

積もり積もった
不健全な興奮が産んだ
強烈なボールへの執着。

誤解があるといけないので
順を追って
一連の流れをご覧下さい(^_^;)

まずは、普通にボールで
私と遊んでいたのですが
興奮があがってくると
執着心が強まってきます。

こんな感じからの

こんな感じに(-_-;)。
最後は良くある



オヤツとの交換(^_^;)

これがボールでなくて
食べ物だったら(^_^;)
交換してくれたかどうか…。

この動画の感想は
様々あると思います。

オヤツで出せるなら
それでいいじゃないか。
ラケットなんて使って可哀想。
あんな隅に追い詰めたら
ああなって当然だ。

賛否両論色々あるとは
思いましたが
それ以前の問題として
どんな犬でも、
飼い方を間違えると
こんな風になる可能性があることを
知って頂きたく
飼い主様のご理解とご了承を得て
公開させていただきました。 

これまで、リアン君が
執着を示して抱え込んだものを
こちらに返してもらうことは
到底叶いませんでした。

この動画のなかで
抱え込んだのはボールです。
この動画を可哀想という思う人は
多いかもしれませんが
あんなに抵抗するよりも
ラケットが嫌なら
諦めて立ち去ればいいのです。
隅に追い詰められて嫌なら
押さえ付けてはいませんから
逃げることは出来るのです。

様々な過不足から
そうした適切な行動を
選択出来ないことの方が
生きずらさを産むのだと
私は考えています。

いつか…そのうちに…。

わかりきっていることですが
そんなことを
言っていられるほど
犬の一生は長くはありません。

ちなみに
このラケットは傷だらけです。
これが人の手だったら
穴だらけです。
執着したものは安全なボールです。
でも、もし
犬にとって危ないものだったら?
それでも
取り上げないほうが
犬のためでしょうか?

犬との生活空間に
危ないものは
置かない。
当たり前のことです。
しかし、人との生活空間は
犬が興味を持つ
持たないに関わらず
犬にとって
危ないものばかりです。

人が先回りして
危ないものを
避けたりするのには
限界があるのです。
犬が自主的に
回避することを
学ばなければ
犬の安全は保てません。

人がいても、いなくても
人が許可したものにしか
触らないこと。
この指示の徹底が
家庭内での
犬の安全を唯一
担保するものだと
思っています。

ポイントは
小さいことやモノでも
許さないことです。

興奮も執着も
小さいものから始まります。
初めは可愛い
ワガママくらいにしか
思えなくても
それを許すことは
さらなる執着を呼ぶ
呼び水になることを
知っておくほうが良いでしょう。
執着の最たる状態が
先ほどの動画の状態です。

逃げること、回避したり
スルーすることは
犬が生きていく上での
コミュニケーションに
欠かせない態度でありますが
リアン君には
様々なバランスの悪さから
人に対して信頼も尊重もなく
人とのやり取りが
要求と断固たる拒否だけの
状態になっていました。
唯一救いだったのは
犬にはとても友好的だったこと
しかしながら、
人に従えない犬を
犬は信頼しませんから
ルイスとまこに関しては
リアン君と関わることは
ほぼありませんでした。
それは、嫌がるということではなく
慈悲深くリアン君を
そっと見守るかのような態度に
終始していたのです。

躾は犬にとって
ゲームのように
楽しいものでなければ
なりません。

ボールは抱え込むより
投げて貰った方が
楽しいとわかったリアン君が
こちら( ´ ▽ ` )ノ

執着の対象だった
靴下やティッシュ
ビニール袋を
トラップ的に散らかしております(^_^;)

楽しいのは
ボールや靴下などの
モノではなく
人との関わりなのだと伝えます。

人が投げたり
動かしてくれるから楽しい。

人がオッケーしないと
遊びが始まらないから
どうすれば
遊んでくれるかを考えて
動くようになるのです。

方法は様々ありますが
これこそが、犬の
自主的な選択行動の
基本ではないかと
思っているのです。

一緒に無理なく
暮らして行くために
一緒に楽しく
生きていくために
人は何を努力して
犬に何を努力させるか
知識や知恵は
補えばいいのです。
今回のリアン君の
飼い主さんに足りなかったのは
犬に対する基本的な知識です。
リアン君の様子に
危機感を感じ
本気で悩んでくれたからこそ
今があるのです。

リアン君
リハビリステイの終盤には
こんなにいい顔になりました。
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我が家でのリハビリステイのなかで
高すぎる興奮と執着を手放し
人への信頼度をあげたことで
家族みんなが
ワイワイ話す傍で
落ち着いて
いられるようになりました。
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犬の躾に
完璧や、完成はありません。
それは、犬がロボットではない
証しでもあるのです。

信念を持って
犬と向き合うことで
はじめて
穏やかな共生が叶うのです。

リアン君は
小さな身体で
精一杯頑張りました。

今度はご家族皆様が
リアン君の頑張りに応える番です。
もちろん、これまでも
様々試行錯誤して
頑張って来られたのですから
あと、もう一踏ん張り!

焦らず、怒らず、諦めず
穏やかに、毅然とした態度で
リアン君をしっかり
導いてあげて下さい(*^o^*)☆
これからも
大なり小なり
応援させていただく所存ですので
リアン家の皆様
宜しくお願いいたします*\(^o^)/*