深夜に仔猫が亡くなって
なんだか
ぼんやりした気分のまま
朝を迎えました。

仔猫の躯は
柔らかいまま
冷たさもなく
静かに眠っているようで
伝わるのは
悲しみではなく
安らぎでした。

あまりにも幼く
母猫から逸れたことが
この仔猫にとって
どれだけの
ストレスであったか
どんなに温かい寝床もミルクも
母猫に勝るものは
何一つないのです。

私の住む地域は
未だに
猫の餌やりを
隠れて続けている人がいます。

目先の「可哀想」から
この仔猫は生まれたのです。

近所で餌をもらいながら
この仔猫の親猫は
また、いずれ
仔猫を産むでしょう。

人間から追われた母猫から
逸れた仔猫が
またどこかで彷徨い
その命を
落としていくのです。

正直、そのことを思うと
気持ちが晴れることは
ありません。

また、今回のように
知識のない親から
動物を捨てて来いと言われた
子供の気持ちを思うと
同じ大人として
本当にやりきれない
気持ちになります。

子供達は皆
動物の扱われ方を
自分の身に置き換えて
受け止めています。

命をどう扱うかを
学ばずに大人になることが
いかに粗野で野蛮な人間を
育てる結果になるかを
私達ひとりひとりが
もっと深刻に
受け止めなければなりません。

仔猫を保護した
兄妹の願いは
儚くも届きませんでしたが
小さな命を守ろうとした
その気持ちを
讃えたいと思います。

その兄妹が
仔猫に会いに行けるように
近所の土手の片隅に
仔猫を弔おうと
花屋さんで
ラベンダーの鉢を買い
仔猫が亡くなったことを
伝える手紙を見て
駆け付けた
Mちゃんと一緒に土手へ

小さな箱の中で
動かない仔猫を
指先で優しく
確かめるように
撫でたMちゃん。

仔猫を土に還し
そのうえに
ラベンダーを植えました。
こうしておけば
目印にもなるし
無闇に踏まれることを
少しは避けられるかも
しれないから。
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仔猫はミルクで
お腹いっぱいになって
眠るように亡くなったこと。
亡くなったことは
残念だったけど
人に見つけて貰えて
ラッキーだったこと。
仔猫だったから
きっとすぐに
生まれ直して来るよと言うと
Mちゃんは何も言わず
小さくうなづいてくれました。

猫を虐待する子供もいれば
猫を助ける子供もいます。

子供は動物の扱い方
扱われ方を通して
我が身のあり方を学びます。

子供がどう育ったかを知るには
動物をどう扱うかでわかります。

動物の先には
必ず、人がいます。
それを決して
私達は
忘れてはならないのだと
思うのです。