一昨年の春
アルマの代表と
数人のスタッフさんで訪れた
富士の麓の多頭崩壊現場。

飼い主さんの老夫婦は
抱え込んだ犬猫達のために
年老いてなお
アルバイトをして
犬猫の世話をされていました。

そんな暮らしの中
お婆さんが病で先立たれ
その後は、お爺さんが一人で
犬猫達の世話をされておりました。

このご夫婦の始まりは
「善意」です。
可哀想な犬猫を助けたいという
気持ちから始めたこと
だったのにも関わらず
世話をする方もされる方も
ツライ状態を招く結果になりました。

色んな事情があったとは思いますが
避妊去勢に対する
正しい知識があれば
状況は大きく
変わっていたのかもしれません。

昔の人ほど
避妊去勢の意識が低いのは
健康な身体に
メスを入れることに対しての
抵抗感が強くあることに
あるようです。

自然のままがいい。

一見、聞こえが良い言葉ですが
人間社会で共生すると言うことは
動物にとっては
不自然な状況を強く強いられる
環境であったりします。
すでに自然ではない
現実の中で
理性的な態度を躾けなどで
求められながら
身体の奥に
ホルモンという
コントロール出来ない
「衝動の種」を抱えたまま
放置されているのです。

私達人間のご都合主義が
犬猫の生き辛さを
後押ししている現実。。。

この訪問の際
アルマに引き取られたのが
千ちゃんとグッチと
マヤちゃんでした。

今にも死にそうな子猫だった
マヤちゃん。
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後の足先が無く
目ヤニも酷いのに
一生懸命、私達に向かって
何かを
せがむように鳴いて
身を預けてくれた
マヤちゃん。

マヤちゃんの願いは届き
アルマに引き取られることに
なりました。

先輩にも後輩にも
慕われる
本当に穏やかで
優しい子でした。

マヤちゃんの
懸命な姿を見るたびに
色んな事を考えさせられました。

アルマのスタッフさんや
ボランティアさんの
愛情でピカビかに
磨きあげられた
マヤちゃん。
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マヤちゃんに
掛ける言葉は
「ありがとう」しかありません。

なんの恨み辛みもなく
ひたすらに前向きに
生きようとする姿を
私達に学ばせるために
遣わされた天使です。

マヤちゃんに限らず
関わり合う動物達との
別れに気持ちをフォーカスすると
穏やかな気持ちを保つのは
かなり難しいのが
正直なところです。

だからこそ。
今を大切にしてあげたい。

その子の悲しかった過去よりも
長くないかもしれない未来よりも
今、目の前にいる時間を
有意義なものにして欲しい。
毎日、忙しくて
かまってあげる
時間がない…ではなく
その子のために
どうか、時間を作って
共に生きたという思い出を
たくさん、たくさん、たくさん
作ってもらいたい。

特別なことは必要ありません。
ただ、
同じ風に吹かれながら
一緒に歩くだけで良いのです。

一緒に過ごす時間を
後回しにしたり
先送りにして
ある日の旅立ちの日に
悔やむのは
私達人間に違いないのです。

彼等、彼女達は生きている限り
いつも、どんな時も
いつまででも
私達を待ってくれていたという
その事実が
見送る私達の心を
激しく
打ちのめすのです。

躾けなんかより
トレーニングなんかより
もっと大切なことがあるのです。

すべての犬猫を
動物達を救うことは
私達人間には出来ません。
だからこそ
動物から受ける数多の恩恵に
私達人間は深く感謝し
畏敬の念を
もっと、もっと、もっと…
真摯に持つべきだと思うのです。