先日、ショッピングモールに
買い物へ行きまして
犬のガムがなかったので
仕方なく
モール内のペットショップへ

相変わらずの生体販売に
群がる人々。
私には犬達の悲鳴しか聞こえません。
そのなかには、
セントバーナードの仔犬まで…
仕入れは店長に委任されていて
ここの店舗には
必ず一頭は
超大型犬種がいるとのこと。
マンションでは飼えないサイズ
当然、ギリギリまで売れ残り…
最終的には、
売れ残りを心配した人が
値段が下り始めた犬を
可哀想に思い
買っていくらしいのです。
そうして空いた超大型犬枠に
また、新しい仔犬が
やって来るという…

そんな、裏事情を
店内で叫ぶことも出来ず
モンモンとしながら
店内を突き進み
ガムだけ掴んで
レジに向かおうとした
その時…。
親子連れが
恒例の「抱っこ商法」に
引っかかっている模様…

店員のマシンガン営業トークに
ひっしとミニピンの
仔犬を抱きしめている
高学年くらいの男の子。
その脇には
その子のお姉さんと
その母親。

何も知らないんだろうな
この人達も。と
しばし、遠巻きに様子を
見ていると
その母親さん
思いあぐねたように一言。
「ミニピンの白っていないんですか?」
ドッカーン…(ー ー;)
多分ね。
知らないだけなんです。
その母親さんに
悪気は一切ないんです。

白いミニピン…
もしかしたら
どこかにいるかもしれません。

いなかったとしても
ブリーディングを重ねれば
新しく作出出来るかもしれません。

しかしその裏で
何十頭ものミニピンが
その命をイタズラに
扱われかねない現実なんか
知ったこっちゃないのです。
さすがの店員も
この一言に閉口ぎみ。

ちなみに、
犬種やカラーリング、月齢、血統書。
ペットショップで提供される
これらの前情報は
飼い主とその犬の
その後に対して
ひとつの保障にも
指標にもなりません。
健康も精神的な成熟も
未知数なことに
変わりはありません。

「8週齢」を
時間的にクリアしていても
環境や人の関わりが
適正なものであるかどうか
本当のところはわからないのです。

人間もそうですが
すべては育て方次第。
飼い主の心掛け次第。

犬は自分の血統も犬種も
大きさもカラーリングも
気にしません。
親子とか兄弟とかにさえ
こだわりはありません。
どこそこのブリーダー出身とか
野良出身とか
犬にはどうでも良いことです。

過去も未来もなく
あるのは今が快適か
そうでないかだけです。

人間が知るべきことは
こうした前情報ではなく
動物としての犬のニーズです。
犬が何を必要とし
何を不快と感じているか。

同じ犬種でも
個々の犬によって
エネルギーレベルが違いますから
「⚪︎⚪︎さえしていれば大丈夫」
なんてことも
犬を売りたいがための
まやかしなのです。

ニーズを理解出来て
対応出来る感性があれば
どんな犬に出会っても
犬を従えることが出来ます。

犬が何かを不快に感じた結果
問題行動が出るのです。
人との共同生活のなかで
大抵のことには
順応出来るのが犬という動物です。
問題行動を抱えた状態は
犬にとっては異常事態なのです。

その異常事態に
なんの打開策も提示されず
優しく撫で付けられ
同情しか与えられなかったら
自分の異常事態を
軽んじられているようで
私だって切れてしまいます。

ちなみに
血統書などというものは
日本に限って言えば
正直、全くあてに
ならないと思っています。
なぜなら、
ハンドバッグの型違いや
色違いを排出するように
様々な大きさやカラーの犬達を
欲しがる消費者の感覚に合わせて
応え続けて来たのが
日本のペット業界だからです。
ティーカップ…
豆柴…しかり
命をいかに消費させるか。

海外にはブリーディングに際しての
厳然としたルールがあります。
その、網の目をかいくぐり
違法なパピーミルも存在しますが
それらは厳しい取り締まりや
摘発の対象となります。 

近親交配で排出され
身体的な問題を抱えていても
幼犬では判断しずらいうえに
見た目が可愛くて
高く売れるなら
なんだっていいのです。
犬の心身の健康なんて
二の次三の次。

ワクチンや
避妊去勢の必要性など
最低限の知識を
飼い主に伝えることもしなければ
弱い犬を買わされたと
文句を言わせないために
「死亡保障」まで付けるのです。

ところで…
なぜ、あの母親さんは
白いミニピンが欲しかったのか。

その母親の傍で
子供達はすべてを聞いています。
自分の親が
ハンドバッグを選ぶように
犬を品定めしていることをm(_ _)m。