この映画が発表された当初
私はまだ小学生で
この物語の残酷さを
理解していませんでした。
いま、あらためて
この映画を見る時
映画の中に描かれた犬を思う時
なんとも言えない気持ちになります。
犬という動物がもつ慈悲深さは
人が酷いことをすればするほど
輝きを増すかのようで
遣る瀬無く
胸が苦しくいたたまれない。
視聴者の一人としてさえ
こんな思いになるのだから
現実に置き去りにした方達の心中は
察するにあまりあります。
ここ最近
犬達の大量遺棄事件が続発しています。
置き去りにしたことを
その一生をかけて後悔する人もいれば
幾ばくかの金と引き換えに
その命をやり取りすることに
手を染めるものもいる。
いつの時代も
人の要望や欲望に
ただただ、犬は尽くし
何か不都合が生じたとき
犬はその責めを負わされるのです。
保護犬も
使役犬も
血統書付きも
野良犬も
すべて人が作りだしたものです。
犬は後にも先にも
犬でしかないのに
肩書きやレッテルを貼って
犬という本質を置き去りに
人は犬を利用し続けているのです。
劇中の犬達の叫びに
我が家の犬達は
じっと耳を澄ませていました。