生きていくうえで必要な
思いやりや我慢
愛情やきめ細やかな感性は
体温のあるもの
命あるものに触れることからしか
育めないものです。

いまは、人間同士の関わりが
希薄になってしまったために
ひとりひとりの孤立が深まり
他者ないし
自分自身にさえも
疑心暗鬼という小さな鬼を抱えることに
なってしまったようにさえ思うのです。

胸のなかに抱えた寂しさや怒りを
見ない振り、気付かないふりで生きるのには
人生は長過ぎます。
誤魔化しはゆっくりと生きる力を奪います。
犬達は相手を選ぶことなく
そんな人の心に
そっと寄り添いつづけてくれます。
言葉ではなく、その存在だけで
私達を癒すのです。

私達が忘れた、本当の愛情の在り方や
ハツラツとしたシンプルな生き方を
犬達は、その生き様を通して
全力で私達に教えてくれる稀有な存在でもあるのです。

すべての人間関係が疲弊しつつあるいま
犬達に学ぶべきは
人として
どう生きるべきかということなのかもしれません。