私が、今のように
様々なボランティアに参加したり
「ルイスの尻尾」を
立ち上げたりするに至ったのは
動物が好きで、物言わぬ動物や
それを取り巻く人たちの
チカラになれたらという気持ちと、
少し大きな話しになってしまいますが
人間社会をよりよく再生させるために
必須なことだという思いからでした。

犬が、人を映す鏡であるように
動物愛護の活動を通して知り得ることは
動物達やそれを取り巻く世界の知識だけではなく
それらは、一様に
人の心の有り様そのものだと言うことに
度々気付かされるのです。

どんなに酷い状態であったとしても
慣れてしまえば
当たり前になって行くのは世の常です。

いまも、この日本のあらゆる場所で
世界のそこかしこで
人間の行動や存在によって
シワ寄せを食っている動物たちが存在する現実があり
そして、その彼らのすべてを
助け出すことが出来ない以上
「かわいそう」という単純な感情を
その一片を成す存在でもある保護犬猫に
向けることは
途轍もなくおこがましく
傲慢なような気がしてならないのです。
何故なら、すべては
私と同族である
「人間」のしていることなのですから。

「かわいそう」で終始することなく
その一歩先へ
どう足を踏み出すか。
最終的には人と人との様々な関わりの中から
見つめ直すことでしか
成し得ないと思っています。

「犬」は、人間社会の
最大の被害者でありながら
その社会を変える
きっかけをも与えてくれる可能性を秘めた
唯一無二の存在なのです。

人間社会が見失っている
「信頼」と「尊重」のバランスを
その命をもって教えてくれる
無口な親のようでもあり
教えることで、改めて学ばせてもくれる
愛おしい子供のようでもあるのです。

「捨てる人ゼロ」にするための活動こそ
私たち人間に求められている
真の動物愛護ではないかと思うのです。