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- 犬の行動学 (中公文庫)/エーベルハルト トルムラー
- ¥843
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犬を犬として扱うために
必要な知識を与えてくれる
犬を真面目に考えたい人には
素晴らしい良書です。
今回は
この本の文中から
「動物愛護」という事柄に対して
いくつかの章に渡り書かれていることを
本編より、極々一部を
抜粋(原文のまま)させて頂きました。
「動物愛護」の一層の発展を願ういま
あらためて、意識していきたい
根本的な考え方が記されております。
ご一読頂けましたなら、願わくば
この本を実際に手に取っていただき
一人でも多くの方が
犬に対する知識を深めていただけますことを
切に願っております。
★★★
動物保護のためには
その性質を十分理解する必要があります。
そういう知識を持つ者のみが
このような企てに参加するべきでしょう。
知らない人は手を出すべきでないのです。
なぜならば、状況次第では
役に立つどころか、
害になる場合すらあるからです。
こんにち、我々は
その知識を十分持っているとは考えられません。
しかし、そうであるからこそ、
すべての手段を尽くしてその知識を広め
深めなければならないのです。
不完全な知識から生まれた感情に
引きずられてはいけないのです。
また、我々は理性を
自然科学の領域における指針とすべきで
歪められた感情を隠蔽するために
用いるべきではありません。
☆☆☆
結局のところ、
動物を真面目に考える人にとっての
・・・我々の場合、
動物とはすなわち犬なのですが・・・・
「動物愛護」とは、
人間の感情の問題ではなく
知識の問題なのです。
犬を我々の感情から派生した不当な役割から
商品としての役割から
我々の心理上の問題を解決する役割から
魂のない展示会の対象としての役割から
解放するには、
知識の手を借りる以外は無いのです。
☆☆☆
我々は人間の共同生活そのものを
犬の家族の規範になぞらえてもみました。
それは必要で時宜に叶ったものなのです。
同胞に対して過ちを冒すことは
罪ではないでしょうか?
そして、生活の伴侶の犬に対して
過ちを冒すことも等しく罪なのです。
・・・・・
また、この伴侶が
自分に依存していればいるほど
犬に頼りにされていることを
自己愛のために濫用すべきではありません。
・・・・・
自然と逆行する人間性の喪失に基盤を置いた
「動物愛護」などという思い上がったことよりも
動物についてのより謙虚な知識を深め
それを自らのために用いる方が
よくはないか、と反省すべきでしょう。
★★★★
犬を犬として扱うということは
人を人として扱うことと同じです。
感情で理解するのではなく
深い知識をもって
理性的に相手を尊重していくことで
初めて互いにフェアで
永続的な関係が築けるものと思います。
愛とはそのものを
深く知ることにあり。