犬の事故の多くの「原因」は興奮です。

犬を飼う人の中には
「興奮」している犬が大好きという人がいます。
自分に突進してくる犬に、
突き飛ばされたりしたとしても
自分を「好き」だからという誤解釈をして
放置している人がとても多いです。

自分と家族、そして犬という関係性のなかだけで
犬を飼育するのであれば
様々な問題を飼い主の「幸せな誤解釈」だけで
乗り切ることは不可能ではないかもしれません。

しかしながら、人間も犬も
社会的な動物であり
社会から隔絶した場所で
生きていくことは出来ないのです。

ドッグランは「興奮」の材料がたくさんありますが
入場の際や、それ以前に
「興奮」を落とすまたは下げるために
しっかり運動をさせておくなどすれば
ある程度「興奮」のレベルを下げることが出来ます。

ドッグランは社交場です。
程よくリラックスした犬達が
遊びとして駆け回れる場所なのであって
すでに「興奮」している犬の運動不足は
解消することは出来ませんし
そもそも、そういう場ではないのです。

「興奮」した犬が一頭入っただけで
ランの中には「興奮」の波紋が
あっという間に広がります。
「興奮」している犬は
ドッグランを「狩場」にしてしまいます。

犬の「興奮」には
こうした環境としての対外的なものと
内に抱えた、内心的なものがあります。
その判断材料のひとつとして
「犬種」「避妊虚勢の有無」「運動量」
「性別」「年齢」などがあります。

なかでも、「犬種」というのは
車種のようなもので
例えば、ブル系や闘犬種と言われている犬は
「興奮」しやすく仕立て上げられた歴史を持つ
犬達であったりします。

もちろん、その犬達の特性を熟知し
正しく扱うことが出来れば
家族の一員として
穏やかに暮らすことは可能です。
しかし、扱い方を間違えれば
車やバイクと同じで
事故につながりやすくなります。

この「扱い方」の対象こそが
「興奮」なのです。

犬種の特性を正しく知ったうえで
個体それぞれの性格を加味して
自分の犬を見つめる眼を鍛える事。

自分の犬の「興奮」の度合いと
度合いが上がるタイミングを知り
きちっと落とせる関係性を
構築するためには日常の生活の中から
犬に学び学ばせることが何よりも大切です。

この前の記事②で
避妊虚勢の話を書きましたが
未去勢の犬は常に「興奮」している状態です。
穏やかに見えても、すぐにイケる状態ですから
それが他の犬達からは脅威に映るのです。

そして、これはあくまでも
無意識の本能的な話なので
その犬に「興奮」の意識はありませんし
未去勢でも、性格的に穏やかな犬にとっては
自分のあずかり知らないところで
周りの犬が、自分に対して警戒する空気に
ナーバスになりマイナスの「興奮」を
あらたに、抱えてしまうことになるのです。

また、犬の社会化が
言われていますが
社会化されていない犬は
犬として生きるために必要な「経験」の不足から
良くも悪くも「興奮」しやすいので
ドッグランなどで
追い掛け回されることが多くなるのです。

これは、犬だけに限ったことではありません
興奮した声や態度を発する人間、走り回る子供など
犬からすれば、場の空気を乱す無用な
「興奮」にしか映りません。
穏やかな犬の群れにとって
「興奮」は「危機感」を煽るものであり
排除の対象なのです。

「興奮」と「遊び」の見分けがつかないなら
まずは、「興奮」させないことをお勧めします。

ドッグランを「社交場」にするか
「狩場」にしてしまうかは
人間次第ともいえるのです。