ドッグランを有する
各都立公園や
私設のドッグランにはそれぞれ、規約があります。

ランを利用したいと思う
すべての、人や犬の安全を考えたら
恐らくはルールでがんじがらめ…
逆を言えば、誰も使えない場所になってしまう可能性も
大袈裟ではなくあり得るかなと思うのです。

ランを利用するための規約は
すべからく、ある程度の前提条件や
常識があるものだと思います。
それは、「犬」という動物に対しての最低限の知識。
「犬飼い」としての、義務と責任についての配慮。

日本にドッグランが出来始めたのは
ここ10年ほど。
咬傷事故が表沙汰になると
ランの閉鎖ということに、繋がりかねないためなのか
すべては、利用者個人の責任とされているためなのか
ニュースにならない限りは
公にされることがないのが現実です。

ドッグランを「みんなで楽しく過ごす場所」にするために
何が大切か、そのためには具体的にどんな対策があるか
その対策がなぜ必要かを私的な見解として
まとめてみたいと思います。

①避妊去勢の徹底。

・ラン内での不用意な交尾の防止。
 犬は1分程度で受胎可能です。
・メスさえ避妊をさせておけば安心というわけではありません。
オスに関しては通年生殖可能であり
そういう意味でも縄張り意識や
闘争本能は常にONの状態ですので
喧嘩を売りますし、もれなく買う心理状態で
放置されていることになります。

去勢済みの犬にとって

未去勢の犬は勝つか負けるかしかない犬であり
最大の脅威であります。
したくもない喧嘩を自己防衛のために
せざるを得ないことにもなるのです。

☆~追記~☆

また、避妊をせずヒート中の雌犬がランに来たとしたなら
去勢していない犬の闘争心は無意識レベルで倍増しますし
その闘争心の倍増と共に
去勢済みの危機感も倍増します。
このオス達の心理は真逆であるにもかかわらず
普通の人から見れば
おそらくは、興奮がましているだけとしか
わからないかもしれません。

もし、これが去勢済みの犬達だけだったとしても
程度の差こそあれ、オスはオス。
メスの香しい匂いに、
興奮し場が乱れる原因になるのです。

また、ドッグランにデビューする際に
未去勢の場合、その心理状態で
ドッグランという環境を学習するため
恐れ知らずの闘争心と興奮の状態での振る舞いが
基点になってしまうのです。
後々、去勢したとしても
よほど飼い主が気をつけていないと
以前のままの態度でランに存在することになるのです。
身体的な変化があったとしても
精神的な変化に結びついていないため
あらたに、学ばせる必要があるのです。

去勢すれば、「別犬」になるというのは
都市伝説のようなものです。
問題行動の改善を願って、
去勢に対して重かった腰を上げる方が時々いますが
去勢したとしても、その後
新たな学習のし直しをさせる意識がなければ
おそらくは「去勢」しても望むような変化は
得られないと私は考えています。

犬に回り道をさせず、健やかな成長を願うなら
若いうちに避妊去勢を実施し、
犬が背負い込んでいる本能の呪縛から
解放させてあげることが
本当の愛情ではないかなと思うのです。

避妊去勢の大きなメリットとして
ホルモン系の病気の予防が挙げられます。
乳がん、前立腺がんなど
過剰ホルモンが由来の病気のリスク軽減に
寄与するとされてもいます。

☆☆☆

避妊去勢をさせない人の理由としては…

・その犬の子供が欲しい…
子供はその子のクローンではありません。
似てはいても
全く別の犬であり、性格もそれぞれです。
また、その犬が多産の場合の対応は?
売る?里親を探す?全頭飼育する?
産まれてから考えたのでは遅いのです。
犬はあっという間に大きくなります。

・自然の状態が一番…
自然の中では繁殖と淘汰のルールが働くが
現代の犬には当てはまらず
そもそも「自然な」状態にはないと考えます。         
                 
・単純になんとなくかわいそう…
欲求不満な状態を長期間無理解のまま
維持させているほうが
余程、かわいそうだと考える方が自然かと思います。

ペットショップや、ブリーダーなどの
生体販売をしている側にとっては
「飯の種」である生体の繁殖のための
「持ち札」の維持のために
避妊去勢を否定する傾向にあります。
その経済活動の一端を知らずに担わされていることに
気付く人が増えない限り、犬猫達の不幸は減らせないことに
気づくことこそ、犬猫達からたくさんの恩恵を
受けている人間の努めではないかと思うのです。

犬にとって何が快適で、幸せか冷静に考えたら
自ずと答えは見えてくると思います。

避妊去勢をさせるさせないは
飼い主の自由であったとしても
他の犬達に対して、身体的にも精神的にも
大きな影響を与え合う要素のある犬を
フリースペースに解き放つことの無責任さは
飼い主の責任として
自覚すべきであろうことと思っています。


③につづく…