犬を飼う時
一番問題になるのが散歩です。

毎日の散歩は確かに大変です。

でもそれは
考え方ひとつです。

携帯電話は充電しないと繋がりません
犬も同じ・・・。
犬との絆も充電しないと繋がりません。
充電とは・・・
「散歩」です。

ワラワラ散歩ではなく
グイグイ散歩でもない
のんびり散歩。

周りの景色を眺めながら
犬とリード伝いに
会話をしながら歩くのが
理想です。

ただリードを繋いで
ただ時間を潰して
同じ道を行ったり来たりしているだけの散歩は
犬にも人間にも退屈なだけです。

普段自分の犬が
何を見て
どんな顔をして
どんな気持ちで
歩いているかを
感じながら散歩をする。

見てほしくないもの
してほしくないことを伝え
心配しなくても大丈夫なこと
リーダーとして守るという
約束を
リードで伝えながら
犬と繋がって歩く。

この心持ちひとつで
散歩の質が変わります。

この変化に
犬はとても敏感です。

トレーナーや
訓練士の前だとおとなしいのは
犬との繋がり方を
その人間が知っているからです。

本来は
飼い主が
トレーナーでなくてはなりませんし
犬に対してリーダーとしての
責任を果たさなければなりません。

その練習はやはり
「散歩」に尽きるのです。

犬も飼い主の様子を
伺っています。
この人はイライラしているか
情緒不安定ではないか
散歩を楽しんでいるのかを
瞬間瞬間が
犬との心理戦です。
そんなふうに思うと
散歩を
ゲームのように戦略的に
捉えられ楽しめるようになります。

『毎日ドッグランに行っているから大丈夫。』
という人がいますが
何が大丈夫なのでしょうか?

飼い主との不安定な関係のまま
たくさんの犬の中に放り出されて
犬は過剰防衛か
逃げ惑ってパニックになり
他の犬の怒りを買うだけです。

そして、それが喧嘩になり
最悪の場合
命を落とす可能性もあるのです。

残念ながら
ドッグランに犬を連れてくる人たちの大半は
そこまでの危機感を持っていません。

小さい犬ならなおさら
やられる危険性が高いです。
危険を回避するための
必要なしつけは考えない。
これは飼い主の怠慢です。

ドッグランでは
特別の注意と
そこに行くまでの飼い主との
絆が十分に満たされていることが大事なのです。

どこに行っても
飼い主といれば大丈夫という
絶対的な信頼関係があって
はじめて
犬は安心して
犬達の中に飛び込んでいけるのです。

ドッグランはいわば自由広場です。
犬同士のコミュニケーションは学べますが
飼い主との絆を深めるには
誘惑が多すぎる。

絆を充電する
『散歩』を十分にしたうえでの
余暇としてのドッグランです。

絆 切れの状態で
ドッグランに行ったところで
犬は不満なのです。
大いなる不満の噴出が
問題行動というカタチになって現れます。

犬の本来の気持ちや要求を考えず
犬を擬人化して
勝手な飼い主の思い込みを押し付けるのは
ただのエゴ
間違った愛情です。

「危険な犬」と犬を悪く言いますが
たいていの場合
その飼い主が
「危険な人」というほうが
正しいように思います。

人の気持ちがわからない人に
犬の気持ちなんてわかるはずもありません。