瞑想は、数千年前から、様々な方法で実践されてきました。
ボルネオ島のジャングル、ガンジス川、チベットのツンドラからシベリア奥地の森まで、世界各地で、いろいろな瞑想が行われてきました。
シャーマンやヒンドゥー教の苦行者など、多くの求道者たちが、神を探し求め、自らを探し求め、そして人生の目標と意味を追究して、自らの内面に向き合ってきました。
インドのパンジャブ州西部にあるモヘンジョダロの遺跡には、ヨガの神様であるシヴァ神の絵があります。シヴァ神が足を組んで座り、額にある“第三の目”について、神秘的に至福を感じながら瞑想している様子が描かれています。
ブッダは木の下で瞑想しました。イエス・キリストは砂漠で、ムハンマドは洞窟の中で、瞑想しました。偉大な預言者や指導者、聖人たちは、皆、神と心を通わせるため、また真の自分を理解するために、何らかの形で瞑想を行いました。
パタンジャリは、自身が編集した経典「ヨガ・スートラ」の中で、ヨガとは思考が停止している、あるいは精神的な変化がない状態であると定義しました。心が落ち着いていると、自分の内面がはっきりと見えてくるはずです。
そして、自分自身の本当の姿が明らかになるでしょう。これこそが、ヨガの求めるものです。ヨガは自己実現のための手法であり、科学です。意欲のあるヨガ行者たちは、瞑想に向けて体を整えるため、最初に様々なアーサナ(ヨガのポーズ)を学びます。心を静めるために、まず体を静めるのです。
インドのリシ(賢者)たちは、瞑想を学ぶ人たちのレベルや気質に合わせ、様々な瞑想法を開発しました。瞑想法の一部は内省的なもので、聖書やコーラン、ヨガ・スートラ、バガヴァッド・ギーターといった彩色経典の一節について熟考します。
一方で、非常にダイナミックな瞑想法もあります。ヨガや太極拳、聖典タントラの説くセックスなどです。
心の中はとても穏やかなので、ポーズを取りながらも瞑想ができます。
一般的な瞑想のひとつとして、マントラという根源的な音を復唱することから始めるものがあります。精神を鍛えていくと、やがて、心が音の持つ力を変化させることに気づくでしょう。
古代ヘブライ語やアラビア語、そしてヨガ行者たちの話すサンスクリット語では、言葉は話す時、そして内省している時に、エネルギーを伝えると考えられています。マントラの中で、最もよく知られているのは“オゥム”です(“アゥム”と発音される場合もあります)。
この音は、背骨を通り、頭頂部にまで、命のエネルギーを運びます。“アー”の音は、ヘソの周辺で感じ取ることができるでしょう。“オー”と“ウー”は、心臓および喉の中央に届きます。“ムー”の音の振動は、頭の中で蜂が飛び回っているように感じられるはずです。マントラの音を繰り返すことによって、心がリラックスし、意識が内面へと向かっていきます。
マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーが開発した超越瞑想(TM)は、人気の高い瞑想法です。ヴェーダ経典中の、神聖なマントラの音を1つ繰り返し唱えることで、意識を内面に向けます。そうして内なる安らぎを見出すのです。
また、ハレ・クリシュナ運動(クリシュナ意識国際協会)では、神をたたえる音を発し、自分の体に神が降臨したかのような状態を生み出します。
そうしてジャパと呼ばれる陶酔感を味わうのです。また、より一般的な瞑想のひとつに、チャクラに意識を集中させる瞑想法があります。
チャクラは体の中にいくつか存在し、エネルギーの中心となっています。
瞑想をする時は、ヘソのチャクラ(マニプラ)や心臓のチャクラ(アナハタ)、第三の目(アギャ)などに意識を集中させます。意識することによってチャクラにエネルギーを送ると、チャクラ自体のエネルギーが活性化します。そして、瞑想者の意識が変化します。
例えば、眉間にある第三の目のチャクラに意識を集中させると、脳下垂体と松果体が活性化します。そして脳波が安定し、自然に、バイオフィードバックを行ったような状態になるのです。
瞑想中に命のエネルギー(クンダリニー・シャクティ)とつながると、脳波の周波数はベータ波(14-40 Hz)からアルファ波(7-13Hz)に下がり、最終的にはより低いシータ波(4-6 Hz)、デルタ波(0-3Hz)で安定します。
この非常に落ち着いた状態にある間は、内面がはっきり見えます。意識は心や感覚から解放されて1点に集まり、深い瞑想状態に入っていくのです。教祖の指導に従って行うと、これらの瞑想はさらに効果的です。
教祖の神秘性すなわち“シャクティ”が、命のエネルギーを導くからです。教祖に従うと、より簡単に、命のエネルギーにつながって共鳴することができるでしょう。
最も効果的とされる瞑想のひとつが、直接的な問いかけ、または内省です。ヨガ行者たちが、自らを瞑想に向かわせたきっかけについて内省している時、彼らは自分自身と直接つながっています。
“あなたが追求しているものが、あなたに追求をさせている”のです。自分自身に“私は誰?”と問いかけてください。あなたの中の自分が、本当の姿を知りたがっています。そこに入っていきましょう。これがギャーナ・ヨガです。
心が、心から、心を解放しているのです。その様子をただ客観的に観察してください。
自分の本質を理解するためには、自分の本質に徹底的に向き合わなければなりません。自分の姿がどう見えるかを確認するために、鏡に映る自分をのぞき込むようなものです。
瞑想の中心にあるのは心です。私たちの本当の姿は、神の愛によって明かされます。そして神は愛によって姿を現します。瞑想中に、神の愛を受け入れようと心を開き、身を委ねた時、ヨガ行者は自らの本当の姿を知ることができます。
瞑想を懸命に続けることで、あなたは神への愛を示すことができます。一心に神に身を捧げることで、瞑想をよりスムーズに、心地よく行えるようになるでしょう。
でも、ほとんどの人たちにとって、心の動きを止めるのは困難なことです。猫が自分のしっぽを追いかけるのをやめられないのと同じです。
ヨガの際に、精神や命のエネルギーについて瞑想すると、瞑想はより奥深いものになります。教祖や講師にヨガを習うと、自らの本質を見つけやすくなるでしょう。教祖の指導が役に立つというのは、何千年もかけて証明されてきました。本当に効果的です。
しかし、西洋人の大半は、教祖と称する人たちに対して、不信感を抱いています。崇高な教祖に対する信頼を悪用した人が、過去に何人もいたのですから、無理もありません。
ですが、そうは言っても、教祖のもとで瞑想を学ぶことが効果的だというのは、長年かけて証明されてきました。瞑想を習う準備が整えば、教祖や指導者が現れるはずです。信頼に値する教祖というのは、あなたが内なる教祖を見つけられるよう、力を与えてくれる教祖です。
あなたの中にいる真の教祖、すなわち“サット・グル”を探しましょう。結局のところ、あなたに命を与え、生かしてくれている神が、あなたを覚醒させ、完全な悟りへと導いてくれるのです。
神の力によって、あなたは今この文章を読んでいるのです。
心をこめて。スティーブン・S・ サドラー
スティーブン・S・ サドラー氏は、セルフアウェアネス・インスティチュート(自己啓発研究所)の所長です。2つの系統のシャクティーパットを行うことができる導師としても知られています。サドラー氏は効果的な通信教育プログラムを開発しました。
すべての文化圏の、あらゆる宗教の信者のために開発されたもので、世界中の多くの人々が学びました。完全なる自己実現をしたいと決意している皆さん、サンドラー氏があなたの参加を待っています。
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