

私たち人間は記憶力が良い。
つらいことや苦しいことは特によく覚えている。だから、
苦しんだ嫌な経験やつらい経験が怒りや怨念をもたらすのだ。
私たちは自分を苦しめた相手にいつか仕返しをしたいと思っている。
それはごく普通の感情的な考え方だと思うし、自分で気持ちを鎮めることができ、
限度をわきまえている間は何の問題もない。
しかし不満の種が成長して木になった瞬間、状況は救い難いほど悪い方へ進み始めるだろう。
私たちは怯え、心に抱いた怨念に苦しめられる。
つらい過去を引きずるのは、魂にも理性にも肉体にとっても、良いことではない。
他人への怨念を溜め込むと、怨念に支配されてしまう。
心の痛みは恨みを晴らしても消えないのだ。
仕返しをあれこれ考えていると、自分にも跳ね返ってくるだろう。
最善の策は、自分を苦しめてきたものを思い出さないようにして、怨念を解き放つことだ。
すべての苦しみを高次の意識へと委ねよう。
そうやって私たちは人生を怨念から解放してきた。
未来へと目を向ける時だ。

