以前この日記の中で夫の元同僚夫婦の出したウズベキスタンへの旅の本について書きましたが、



そのご夫妻がまた新しく本を出版しました。

昨日届いて一気読み。


夫婦のマイペースでいてしかしながらアンテナの高い旅の様子が素敵な写真と朴訥とした文章で綴られていて、ありきたりの言い方だけど私も一緒に旅した気持ちになります。

いつも思うのだけど素敵なものを見つけるのがとても上手い。

書き手であるやすこさんのその国その街の人たちを見る優しい視線も大好き。

今回はコーカサス方面への旅(といってもこれはコロナ以前の旅ですが)で、あとがきなどでも触れられているようにコロナもだけど、その後この地方でこんな戦争が始まるなんてね…


ジョージアの記ではピロスマニの絵についてもたくさん出てきて。

そういえば私もピロスマニの絵にすごく惹かれていた時期があったことを急に思い出した。


文化村で開催された「ロシア・アバンギャルド展」




ここですごく気に入ったのがピロスマニの絵だったのだ。

私、この時期人生の大転機だったせいでこの頃に感動したこととか辛かったこととかどっちもあまり覚えていないという事に最近気づくのだけど、これもまさにそうだわ。

(そしてここでかつて日記を書いていたmixiを久々に開き自分がこの展覧会に行った時の日記を読んでしまった!笑)


アルツァフ共和国に行ってカラバフ絨毯を見て回るエピソードもものすごくワクワクしました。

私も旅の記念にとびきりお気に入りの絨毯を一枚買いたいなぁー!




旅先で絨毯を買う夫婦の話で私の好きな短編があります。



この短編集の中の「掘り出し物」という作品。

慎ましい夫婦は年に一度の旅行で必ず記念に一つだけ掘り出しものを買って帰る習慣で、トルコへの旅での掘り出し物は絨毯にする事にして下調べも十分にしてお買い物に挑むお話ですが、痛快な結末へのスッキリ感が長く心に留まってくれます。


…となんとなくこの短編を思い出してまた本棚をゴソゴソ…

そして読み返す、笑

こうして私は1日中あっちへ行ったりこっちへ行ったりと部屋をひっくり返してしまうのです…涙


そんなこんなで、旅のワクワクがたくさん詰まった本を読んで、我が家は娘がいるから同じようには動けないところもあるけれど、やはり旅はいいなぁーと、次にどこかへ行くことがすごく楽しみになりました。


特にジョージア!行ってみたいなぁ!


ジョージアの民俗服、ナウシカのお洋服はこれがモデルと言われているんだって。



今回もとても素敵な小口。



ウズベキスタン日記はこちら↓



↑この本のあとがきにこんなフレーズがあります。

人は、丁寧に作られたものやものを食べれば、大切にされていると感じますし、丁寧に作られたものを着たり、使ったりしてもやはり同じように感じます。一見同じようでも、舌や肌は敏感に良いものを感じ取ってしまいます。

ただ、そういうモノやコトを作るには、今までのやり方では、時間やコストがかかり過ぎて難しいと言われてしまいます。

だから私たちは、今までのやり方を考え直して、自分たちでレーベルを立ち上げ、本や服や音楽をゼロから作ってもらったり、実験的に発表できたり、みんなが集えるような場が必要だと思い、現在拠点も作り始めました。

今後、人口が減ってきているのにもかかわらず、モノが溢れかえっていく時代のデザインとは何なのか?るということを、きちんと考え向き合っていこうと思います。

今回のウズベキスタンの旅では、そういう大事な事に気づかされ、考えるきっかけをもらった気がします。


……引用終わり


この本が出版されたのは2014年ちょうど10年前です。

その後2冊の本が出版されましたが疫病、戦争と世の中も大きく変わりましたが、お二人の書いた基本理念はますます大切な事になっている気がします。