昨日Facebookの「過去のこの日」に
6年前に自分が投稿していたものが出てきて、思い出した事です。
(この機能は本当に楽しいですね、忘れていたことを思い出させてくれます)

「アルジェリア報道について思う事。

真実を知るのに今の段階で実名は必要じゃないな、実名知らなくても充分にご家族の苦しみに思いを馳せる事は出来る。

今知りたいのはアルジェリアやフランス、そしてヨーロッパやムスリムを取り巻く情勢。

国際問題として、日本人としてどう捉えればよいか、どう振る舞うべきか。

家族や大切な人が異国にいる人、またこれから海外に滞在する人が知るべき事を報道して欲しい。

お涙頂戴的な記事の方がウケると短絡的に考えるマスコミに違うでしょ?と私達からも発信するべきなのかもしれない。長女は今ジュネーブからヒースローに向かっています。

そこを経由してドイツへ、その後はフランスニースにも行きます。

日本人にとって今本当に有益な情報を発信してくれるマスコミはいったいどこにいるのでしょうか?」


というものでした。

(マスコミについて書いているのは当時問題になった実名報道問題についてなのですが)


その後のコメントのやりとりには

「今ガトウィックから連絡あって今度はデュッセルドルフに行くのよ」、と当時は本気で禿げるかと思うくらい心配していたことを思い出しました。

※色々と移動していることは書きましたが、

オーディションという言葉は書きませんでした。

勿論勘の良い人は察していたとは思いますが、

真っ只中の事でこの先どうなるかわからない事でしたから、子供の為に受かって決まるまでは口をつぐんでいました。(わたしの父母にも話していませんでした、決まった時に話せばいいかなと思って。でも良かったです、だって落ち続けるのです。それもうちの子だけじゃなくてみんな!)



この時はまだまだ始まったばかり(まだバレエ学校在学中でしたから)でした。

段々と麻痺してきて、数年経ったらヨーロッパ中を移動する娘がその日どこにいるのかも忘れてしまうようになりました。

結局この年に受けられたのは、学校もありましたし、ツアーも沢山あってその上卒業公演が夏にありましたからこの後はほとんどオーディションを受けることもできませんでした。


結局この年の9月からはコンセルバトリオに進んだのですが、娘のその選択は日本に帰国してオーディションチャンスを待つよりずっと安上がりだったと思いました。

年間学費がバレエのお月謝1ヶ月分くらいでしたから。


オーディション巡りには交通費、滞在費だけでも毎回お金がかかります。

でも、ヨーロッパ圏内にとどまる事で新幹線よりも安い航空券で移動することもできます。

日本に一旦戻るとレッスン代もかかるし、コンクール、発表会などの出演料はものすごい金額です。


バレエ学校を出たらそれで終わりなのではなくその先からが始まりでもあることを忘れずに、

そこからお金がかかるという事、拠点をどこに持てるか?という事も常に念頭に置いておくべきだなと思いました。


そして、子供本人に世界情勢や治安について、正しい情報を判断できるようにそれからその地の文化などもきちんと考えて、知らずに酷い・非常識な行いをする事のないように教育してしていく事もとても大切だなと思いました。

(エージェントを名乗っている人でも、え?なんという無知さでなんという非常識さ?という振る舞いをこれまた浅はかな文で書いている人も見かけますね)


そのようにしていてもなおテロや人質事件に巻き込まれる事が多々あるのですが…


これだけ色々なところに行くのだからちょっとは美味しいもの食べてみたり、観光もしてみたら?なんて私は思っていたのですが、行って会場チェックして、あとはホテルで休んで受けてそのまま帰ってくる、というような生活ばかりでした。

でももしかしたらそれくらいの集中力、余計な事には一切体力もお金も費やさないくらいの気持ちの強さも必要なのかもしれません。

本当に何カ国行ったかなぁ、思い出せないです。


それから…

この時期は本当に子供も辛い時期。

悪い結果は本当は口にもしたくない事だと思うけど

親には一応報告してくれました。


私たちにはどうせバレエについては詳しくわからないのだから

「何がダメだったの?」とか「なんで?」

「どんな子が受かってたの?」「何人通った?」

とか根掘り葉掘り聞かなくて良いと思うのです。

私は頭には色々聞きたいことが湧いてきていたけど、本人が1番その事を自分で考えているはずと信じて

「あらそう!次行ってみよー!ガンバ〜!辛かったらいつ戻ってきてもいいからね!」

くらいの返信に努めました。


本人がひとりで、きちんと振り返って、

頭の中で整理をつけて、その上で話してくれた場合には勿論そこからシェアして色々と話をしましたが、内省的な時間もとても大切だと思います。

結局のところそういう時間に、彼女という人格を作り鍛えてくれたように今となっては感じています。


今の劇場で4シーズン目に入りました。

ウロウロしなくて良い、落ち着いて一箇所にいられることはとても幸せそうですが

きっとまたいつかオーディション巡りをする日もくることでしょう。

本当に大変な道だなぁ。