無事に飛行機に搭乗。


荷物をしまい、シートベルトを締める。


ブランケットとまくらとマスクをもらい、


準備は万全だ。



ほどなくして、離陸。


渡された入国カードに記入して、ガイドブックを


読んでいると、こんなものを渡される。

Mariaの【笑う門には福来る】




中身はこんな感じ。

Mariaの【笑う門には福来る】



8時間も乗るのだから、昼間よりも寝ている間に


移動したほうが現地で朝から動けるので、


そのほうがいいのでは?と思い、今回は深夜便に


してみたのだが、この時間だと、こういうものが


いただけるらしい。



周りの方が眠っているので、夜中にお水が


欲しいと思ってもなかなか言えないからだろうか。





そして、おつまみを食べながら白ワインを飲み、


次にオレンジジュースをお願いした。


前もってメモリに保存しておいた、私のブログへの


みなさまからのコメントを読み、そのお返事を


メモパッドに保存する。

Mariaの【笑う門には福来る】



きっと、時間も時間だけに、すぐに眠ってしまうだろうと


思っていたのだが、遠足の前日のように目が


冴えてしまって、まったく眠れない。


まるで子供だ。


でも、これではきっと明日にひびく。




ホテルについた途端に、ベッドにばたんきゅーして


気づけば夕方だった・・・なんてシャレにもならない。













「・・・。」












眠ろう。



パソコンをしまい、目を閉じる。






“眠るんだ”



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“眠るんだ”



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“眠るんだ”



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「ゴォーー」







「グオォーーーー」







「グルゥーーーー」











「・・・。」











となりの君。


そう、君のことだよ。


イビキは、そう、いたしかたない。


そんなのは誰にでもあることだ。


そんなことで文句を言うほど、


私は心が狭くはない。




が、しかしだ。




なぜに、私の方に顔を向けて


イビキをかく?


しかも、そのまま斜めに倒れたら、




きっと私に君の体重が乗ってくる。


いつその重みがなだれこんでくるのかと


思ったら、気になって気になって眠れやしない。




しかも、君の組んだ足が、さっきから私に


ぶつかっていることを知っているかい?


君と私私が恋人同士だったら、なんて熱い


カップルに見えるだろう。




が、しかしだ!




いまさっき、ほんの2時間前に出会ったばかりの


君に、そこまで許すほど、私は軽くはない。


身持ちは堅いほうなのだ。


あぁ、小さい人間だと笑われてもかまわない。


だから、お願いだから、反対方向に向いてくれ!






隣の男子をさけようと、体がどんどん斜めになっていく。


あぁ、もう、これ以上はムリだ。












「・・・。」











もういい、なんとでもなれだ。


逆に私も体重を掛けてあげようか?


正真正銘の、ラブラブカップルの出来上がりだ。












「バサッ!」











急に隣の男子が起き上がる。


すいませんと、反対通路にいるCAさんを


呼びはじめる。




「どうかされました?」




「あのぉー、すっごい寝づらいんでぇー、席を


 替えて欲しいんですけどぉー」













「・・・。」














一瞬客室乗務員さんと目が合う。




いやいやいやいや、


ちがうちがうちがうちがう!


ちがうって!


私じゃないって!


そんなばバカな!




そんなバ・カ・なーーーーーーーーーっ!!!