「よし!やっぱり行ってみよっかなっ♪」



バックに携帯とデジカメ、お財布を放りこみ、

部屋の鍵を握って玄関へ急ぐ。

今から向かうは横浜。



この前日、他の方のブログで横浜に行った話題を読み、

久しぶりに行きたくなってしまったのだ。

とはいえ、時間はすでに17時。

理由はパスタを食べた後に、お昼寝をしてしまったことにある。

数分考えたあげく、やっぱり行くことにした。




高速は意外と空いている。

ゴールデンウィークのあの混雑がウソのようだ。

ブログには書いていないが、今年のゴールデンウィーク中に、

通常ならば3時間で行けるところに、渋滞のおかげで

9時間かかってたどり着いた痛い記憶がある。





“やっぱ、こうじゃなくっちゃねっ♪”





と、スピードを上げる。

ほどなく、左側に東京タワーが見える。

震災の影響で、てっぺんが曲がったままだ。

肉眼でもよく分かる。




“あれ、直すのかな。

 誰がどうやって直すんだろう・・・。

 でも、あそこまで綺麗にペンキが塗られてるってことは

 あそこまで行く手立てはあるんだろうなー。

 でも、あの高さだよ?

 一月分の酒代を払ってあげると言われてもイヤだなー。

 でも待てよ、10年なら?

 いやー、それはいくらなんでも申し訳ないなー。

 それなら酒代5年+美味しいお取り寄せギフト5年分なら?

 よ、よし、乗ったっ!!!乗ったぞっ!!!”




誰からも頼まれていないのに、一人妄想を膨らませ、

あのてっぺんに登るんだと、腹をくくる。




この他にもさまざまな妄想を繰り広げるが、私の人格を

疑われる可能性が高いので、端折らせていただくとしよう。




なんやかんや50分くらい走り、無事横浜に到着。

だんだん日が陰りを見せ始めている。




“久しぶりに中華街を歩いてみようかなー”




コインパーキングへ車を止め、そそくさと歩く。

で、到着。

Mariaの【笑う門には福来る】




相変わらず、すごい人だ。

のどが渇いたので、何か飲みたいとあたりをキョロキョロ。

甘栗の試食を渡されるが、今食べたら、もれなく喉がパッサパサだ。

ティッシュに包んでポケットへしまう。

少し歩くと、あるお店のショーケースに目を奪われる。

そこにはタピオカジュースが並べられていた。


私はタピオカジュースがものすごく好きである。

タピオカジュースが流行ったころから好きではあったが、

香港のGONGTEAという有名店で飲んだタピオカジュースが

あまりに美味しく、完全にハマってしまい、香港に訪れる度に

毎日飲んでしまうほど。

それがコチラ。

Mariaの【笑う門には福来る】



Mariaの【笑う門には福来る】
注:写真は今年2月のもの。




これで、たった120円だ。

しかも、めちゃめちゃ美味しい。

シンガポールにも出店しているので、行くと必ず飲むのだが、

日本にはまだお目見えしていないようだ。

こっちで売ったら絶対売れるのに、と毎回思っている。



そのタピオカジュースが、中華街で売っていたのだ。

もちろん迷わず購入。

Mariaの【笑う門には福来る】




このサイズで300円。

まぁ、ここは日本だ、いたしかたない。


ゴクリ。


一口、くちに含む。






「・・・。」





えっ・・・。




どうしよう。




うーん・・・。









私は、ブログでネガティブなことを言わないようにしているのだが、

申し訳ない、ハッキリ言わせていただこう。




まずい。


そう、マズイ。


なんと、MAZUIのだ。




なんだこれは?と、飲んでいたカップを目の前に持ち直し、

マジマジと眺めてしまったほど美味しくない。

そもそも、作り置きしていた時点で、ちょっと怪しいなとは

思ったのだが、まさかここまでとは。

しかも、2件先には、同じサイズで200円で売っていた。



もう、心が折れるとはこのことである。



誤解のないようにお伝えするが、中華街のタピオカジュースが

どれもこうではないと思う。

中華街のあちこちで売っているタピオカジュース。

きっと、私のくじ運が悪かったのだ。




しょんぼりしながら、ぷらっぷらと歩く。




しばらく歩くと、こんな張り紙を発見。

Mariaの【笑う門には福来る】




《お取り寄せグルメサイトで3か月待ちの金の餃子》
《一日限定販売 今日あと5箱!》



とある。

しかも横にはこんな看板もある。

Mariaの【笑う門には福来る】





《金の餃子の神》
《こんなに肉汁が出ちゃってごめんね》


の文字と一緒に、巨大餃子から肉汁もどきの水が

ジャージャー出ている。





“な、な、な、なんてシュールなんだ”





あまりの光景に、時間を忘れて眺めいってしまった。







私はかなりの餃子好きっである。






“この肉汁、半端ない。

 これでビールをグビリとやったら最高だろう”




今日の晩御飯は決まった!と店の中へはいる。

店主に、ひと箱下さいと元気よく伝えると、

ノーマル味とピリカラ味の2種類があると教えられる。

辛口が好きな私は、喜んでピリカラをチョイス♪

代金を支払い、ニコニコとお店の外に出てきた。





そこに張り紙を見ているカップルを発見。




“君たちも買うのかい?この肉汁ヤバいよね?

 うふふふふふっ”




と思っていると、彼女さんが

「もしかして、朝から《今日あと5箱!》にしてあったりして(笑)

 だって、そう書いてあると、買いたくなっちゃうじゃんっ」

と、ショッキングなことを言い放った。




ま、ま、ま、ま、まさか。

またしても、やられてしまったのか!!!




考えてみると、ノーマル味とピリカラ味があるのに、

残り5箱というのはおかしい。

どちらが2箱でどちらが3箱なのだろか。

いや、どちらかが1箱で、どちらかが4箱かもしれない。

いやいや、そんなことはどーでもいい。

だって、だって・・・

えっ・・・。

えーーーーーーーーー!!!





動揺を隠せず、とぼとぼと歩く。

まだ、マズイと決まったわけではない。

前向きに頑張るんだ!と背筋を伸ばす。

そんな私の目の前に、またもやシュールなものが現れた。

Mariaの【笑う門には福来る】




立て看板に《猫》とある。

いやいや、いまさら自己紹介を受けなくても、

君が猫なことくらい百も承知さ、と心の中で話しかける。

雨の日も寒い冬の日も、絶えず仁王立ちで、

自己紹介をしているのだろう。

負けるな猫くん、と一言残し、車へと急いだ。






車に乗り込み、少し考える。


“本当に、餃子が残念な感じだったら、きっと立ち直れない。

 どうしようか。”




 「あっ!」




良いことを思いついた。

車を発車させる。







目的地の場所へ付き、車を止める。

大桟橋入口付近の交差点の一角に位置する、コチラが目的の店。

Mariaの【笑う門には福来る】


Mariaの【笑う門には福来る】



SCANDIAという、北欧料理のお店。

ずいぶん前に、横浜で一泊した際、夕食にと、

たまたま、ふらりと入ったのがこのお店。

後から知ったのだが、このお店、横浜ではかなりの老舗とのこと。

1963年創業で、松任谷正隆さんとユーミンさんのご両親が

今から約40年前に初対面された場所であることで有名らしい。


私はこのお店でいただいたサワーへリングが忘れられず、

近くに寄った時には、必ず購入するようにしている。




“そうだ、サワーヘリングをたべよう!”

車の中で、そう思いついたのだ。




店に入り、店員さんに、

「お土産用のサワーヘリングを下さい」とおねがいする。

よろしかったら、カウンターでお待ちくださいと、

席を案内していただいた。

ここは1階よりも、2階がすばらしい。

いろいろな調度品が置かれ、最初は少し圧倒されるものの、

しばらくすると、なぜだかとっても落ち着く不思議さがある。



“今度は泊まりにこよう。

 そうすれば、美味しいワインを飲みながら、

 美味しい料理を堪能できるっ”



そう誓っていたころ、お土産が出来上がった。

代金を支払い、店を後にする。



車へ向かう途中、綺麗な横浜の夜景を見つけたのでパチリッ。

Mariaの【笑う門には福来る】





横浜の滞在時間は1時間30分ほどだったが、

かなり満喫できたぶらり旅だった。








家に着く。

さっそく、疑問視している餃子を取り出す。

わたくし、こう見えて、餃子を焼くのは得意である。


好きこそもののなんとやら~というところだろうか。


鼻歌交じりに、温めたフライパンに油をおとし、餃子を並べる。

20コも入っているが、見た感じ小ぶりなので

ペロリといけるだろうと、全部焼いてみた。




その間に、サワーヘリングをお皿に盛る。

こちらがそのサワーヘリング。

Mariaの【笑う門には福来る】




かなり美味しそうだ。

生唾をゴクリと飲み込む。




餃子を焼いているフライパンのピチピチッという音が小さくなる。



「もうそろそろね。」


とお皿を用意。

音がしなくなったところで火を止め、お皿にバンッと乗せる。











ハイ、できあがり。

Mariaの【笑う門には福来る】




かなり美味しそうである!




ビールのふたをあけ、グラスに注ぐ。




「今日も1日お疲れ様でしたっ!」




3度寝したぐらいなので、何も疲れたことはしていないのだが、

まぁ、とりあえず言ってみる。

そして、いわくつきの餃子を一つつまみ、口の中へ。






「・・・。」






「う、」






「う、」






「う、」







「うまいじゃないかっ!!!!!」





なんだ、これは!

美味しすぎるっ!!!

肉汁がジュワッほとばしり、なんともジューシー!

久々にヒットな餃子に出会えた!



そこで、ビールをグビッ!

あー、幸せとはこのことである。

サワーヘリングもパクリ。


「あー!おいしいーっっっ!」



こうなると、もう止まらない。

グビッ!パクッ!

グビッ!パクッ!

グビッ!パクッ!

グビッ!パクッ!

の連続だ。



ビール1本では足りないねと、新たなビールを探しに

冷蔵庫を開ける。

で、また、

グビッ!パクッ!

グビッ!パクッ!

だ。




「あーっ幸せっ!!!」







こうして、呑兵衛の夜は深まっていった。