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12th Feb 2022

 

No.7

 

Hi there!! 

こんにちは! いつもご覧いただきありがとうございます。

 

いつものFocus Blogはリベラっ子に注目したBlogですが、今回はそのリベラっ子たちの歌う”Songs 歌”についてFocusしていこうと思います!!

今回からはLiberaのテーマ別おすすめ曲を独断で厳選、

"その曲のがどのように歌い継がれてきたか??"

はたまた

"どのようなルーツを持つ曲なのか??"

などなど、ご紹介していこうと思います!

 

テーマは

     ”Calm Down 落ち着く

     ”Liven Up 盛り上がる

     ”Moving 心動かされる” 

     ”Chill Out リラックス”などに分けてご紹介の予定!

 

時代を経たサウンドの変化と、普段は聴こえてこない繊細な音楽技術についてFocusしていきましょう!!

テーマ別おすすめ曲紹介、第一回目の今回のテーマは”Moving 心動かされる

それでは早速おすすめ曲紹介に参りましょう!!

Liberaの心動かされる感動曲というと、どの曲を想像されますか??

 

Tom Cullyの感極まるSoloが特徴的なFar Away

クリスマスシーズンの恒例、USJのインプレションソングのSong of Life, Angel

この3曲は

"Far Away 彼方の光"

 

"Song of Life 生命(いのち)の奇跡" 

 

"Angel 天使のくれた奇跡”

 

として日本でもシングルが発売され、クラシックチャートで圧倒的な存在感を残しました!

 

日本のテレビにも出演し、日本におけるLibera人気が一気に確立された時期なのではないでしょうか!!

 

これらの曲は国立音大・作曲学科卒の松村嵩継氏がcomposerを務めた作品であり、実際に松村氏がピアニストを務めたステージも有名です。

松村氏の曲構成はとても日本人に合っているような気がします!

 

そんな誰もが知っている、有名すぎる感動曲の数々は今回はいったんさておき...

ここでは少しだけマニアックな、知る人ぞ知る隠れ感動曲をご紹介していこうと思います!!

そんな今回ご紹介する隠れ名曲は”Vespera"

そうです! 去年の12月のコンサートで一曲目に披露した曲です。

 

ここからは一緒にVesperaを聴きながら進んでいきましょう!!

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2021年10月発売のニューアルバム"If"に収録された、この”Vespera”という一曲。

Vesperaという曲が最初に収録されたのは、2001年発売のアルバム"Laminosa"でした。

 

当時の曲の中では数少ない、MVも撮影された一曲です。

時代を経てサウンドは少しは変化しているとはいえ、何か所かの音の違いを除くと今と全く変わらない曲構成、パート割りなどなど今と全く変わりがないのも珍しいですね!!

 

2005年にはウェールズ出身の元ボーイソプラ二ストでもあるタレント歌手Aled Jonesと共に、LiberaがClassical British Awardsに出演した経歴もある、異色な曲です。

このMr. Aledの入場シーン、演歌みたいなこれ以上ない最高なタイミングで拍手の入場でなかなか好きですデレデレ

2015年にはMr. AledがYouTubeに公式音源を載せています (音源は2005年のもののようです)

 

元ソロボーイソプラ二ストのプロ歌手とのフィーチャリングなど異色の経歴を持ちつつ、毎回のようにアルバムに収録されるわけではなかったこのVesperaという隠れた名曲。

 

今回のアルバムではLucaの至高のソプラノと、Daniel Catの美しいHigh noteが、共に並んで飛ぶ渡り鳥のように、交わったり、離れたりするような美しい曲にしあがっています。

しかしこの曲にはLucaDaniel Catの美しいソプラノの他にも、Liberaサウンドの織り成す高難易度の要素がいろいろなパートに散りばめられていて、非常に複雑かつ可憐な作品になっています。

 

具体的に分析すると、技術ポイントは歌い出しから始まります。

 

Te lucis ante terminum(あなたは夜明け前の光そして希望)
Rerum creator poscimus(私は主に尋ねます)
Ut solita clementia(救いを与えて頂けないでしょうか)
Sis praesul ad custodium(どうか私をお守りください) 

                                         ※ラテン語は意訳ですウインク

 

神聖なラテン語の歌詞は、A Cappella 無伴奏で始まります。

ボーイソプラノ(その中のパートも全て)・ボーイアルト(声変わりの終わったお兄さん達)が全て同じ旋律、つまりUnison 斉唱で曲は幕を開けます。

複数のパートに細かく分かれるボーイソプラノ・ボーイアルトがUnisonで歌い、更にはA Cappellaで歌うというのはあまり見ることの無いことです。

伴奏が無いということは、頼れるのは指揮のみということです...あせるポーン

 

それでは、リベラっ子たちが指揮だけでどれだけ複雑なことをやっているか、少し分析してみましょう!!

 

※ここからかなり細かく音楽的に分析します! ややこしいので飛ばした方がいいかもしれません...

 

旋律はアフタクト(4/4拍子だとすれば、1/2/3/4拍目のうち、頭の1拍目からきっちり始まるのではなく、半端に2~4拍目から始まり、後々帳尻合うこと。Vesperaは2拍目から始まっています)で始まり、4/4拍子で進みますが、"terminum"の部分で一度一拍子減った4/3拍子になり、"Rerum"と最初のアフタクトの要領で一拍分調子を整えて、4/4拍子が2回続き、また4/3で調子を整え、Ut solitaの部分で4/44/3を1回ずつ、clementiaの部分で4/4を2回。そして、指揮を振り(振るというのは、ブレス:息継ぎなどのタイミングで、指揮者の要領でリズムをずらす解釈)一間とってから、Sis praesul ad custodiumと4/4を2回続け、最後はゆっくりフェルマータでUnisonはFinish!!

 

※ややこしいのはここまで!!

 

どうですか?? 文章化するのがヘタッピで、わかりづらくすみません...

できるだけ音楽知識の少ない方でも理解できるよう、説明は多めで、注釈もつけてみました...

 

なんて、こーんな複雑なこと、伴奏なしで指揮だけ見てリベラっ子たちは歌ってるんですよポーン

僕の手元に楽譜もないですし、ましてやかなり複雑な旋律なので、耳で聞こえたものとMr. Stevenの指揮棒の動きを見るほかないのですが、それでもかなりブレス(息継ぎ)の間合いだったり、振り(指揮者のその時々のさじ加減、ブレスの間の調整)で変わっています。

 

実際に、CDに収録されているリズムと、12月のコンサートでもリズムのとり方がかなり違っています!!(分析レビューはコンサートヴァージョンのもの)

明確にわかることとして、皆さま、Vesperaを聴きながら、実際に1・2・3・4とご自分で数えてみてください!!

どうも、合わないですよね... こんな感じで、複雑な曲なのです...ポーン

ここまででもうかなり長くなってしまいましたが、どんどん次に行きましょう!!

 

A CappellaでUnisonの部分(少しだけハミングも混ざっていますね)が終わり、伴奏、それと同時にDaniel CatのHigh Noteが始まるわけですが、次はこの場面の裏側に注目!!

 

Before the ending of the day(一日が終わろうとするとき)

Creator of the world we pray (私たちは世界の創造者である主を祈る)

That with thy wonted favour thou (それは主の恩恵によりあなたとともに)

Would be our guard and keeper now(主は私たちの守り主となる)    

 

少しいつもより音量を大きくして、一つ一つのパートに注目していると、実は歌っているのはDaniel Catだけではなかったのです!!

 

※またここから少し細かい分析!!

 

耳をよーく澄まして聞いてみると...

小さい音量ではありますが、Ah(ラ♭/As)-----Ah(ソ♭/Ges)---------と伴奏と同時に始まるSoloパート(裏A Soloとでも名付けておきます)。このパートの1小節目(ラ♭/As)のアフタクト(4拍目裏)からDaniel CatのHigh noteがAhAhAhAhAh----と入ります。

 

そして、3小節目に加えてAh(上のミ♭/Es)------Ah(上のレ♭/Des)と、上記の裏A Soloと重ねるように新しいSoloパートが加わります(裏B Soloと名付けます)。

 

この時点で歌っているのは、1~2小節目が裏A SoloパートとDanielのHigh note, 3~4小節目が裏A SoloパートDanielのHigh note, それに加えて裏B Soloの3人。

LucaのSoloが始まる前の、この4小節だけをとっても、複雑なSoloが交わったり、離れたり、並走して曲が進むことで美しい情景が浮かびますね!!

 

3人がそれぞれのSoloを歌っている、それはTorioではなく3人のそれぞれが独立して、重なり合ったり離れ合ったりする不思議なSoloです! 

そしていよいよLucaのSoloが始まります。

LucaのSoloが始まると同時に、前の3要素はいったん落ち着きを見せ、Unisonのハミングに戻り、LucaのSoloに注目が集まるよう、微調整しながら引き立てます。

 

LucaのSoloと裏のハミング、そしてコントラバスの心地よくも重厚なピッツカート(ボンっと指で弦をはじく動作)が非常にシンプルながら洗練された情景を作り出します。

 

 

LucaのSoloやDaniel Catは個人Focusで解説しているのでここではあまり語りませんが、いやあ、素晴らしい表現力です。

 

[宣伝]あわせてお読みください ウインク

LucaのFocus Blogはこちら!!

Daniel CatのFocus Blogはこちら!!

 

ひょっとしてDaniel CatはLucaのソプラノにあこがれているんじゃないでしょうか...

二人はいつも同じ、ボーイソプラノでもHigh noteのソプラノパートを担当しており、DanielはインスタでもLucaのCoverしたAndrella Dayの”Rise Up"をピアノ弾き語りで披露していたりします!!

こちらがLucaのYouTube投稿で

こちらがDanielのIG投稿です!!

 

この2人は師弟コンビ(勝手に師弟認定ニヒヒ)、Lucaのパワフルソプラノの後釜としてDaniel Catがこれからのソプラノを担うのではないか!!

と、とー------っても、期待しています!!(←何回言うんだ...と。)

話は戻って、Vesperaはサビへ。

 

Keep me as the apple of an eye(主の幼子である私を守ってください)

      ※The apple on eye(目の中のリンゴ)で、目を掛けている子・幼子という意訳になる

Hide me under the shadow of thy wings(あなたの翼の陰で隠してください)

Keep me as the apple of an eye(主の幼子である私を守ってください)

 

ボーイソプラノ(High Noteパート)・ボーイアルトが主旋律(メロディー)を歌い、そして別のボーイソプラノ(ハーモニーパート)が美しい旋律でFlowを作り出します。

 

ボーイソプラノだけが主旋律を歌うことが一般的ですが、ボーイアルトも同じ主旋律を歌うことでより一層魅力的な曲になるというか、胸をぎゅっと締め付けられるような感動を覚えます。

ボーイソプラノは情緒豊かに、神様からのプレゼントのような制限の無い音域でのびのびと歌い、成長した少年たちによるボーイアルトは曲を理解し表現力豊かに切なく、また儚く歌い上げます。

 

ボーイソプラノとボーイアルトが両方のポジティブポイントが歯車のようにがっちりと噛み合い、感動的な名曲を作り出す。

これこそ、Liberaサウンドにしか作り出せない賜物なのではないでしょうか。

ボーイソプラノとボーイアルトの両方を楽しむことができる素晴らしい曲、今回のアルバムにもう一曲収録されています。

"Lux Aeterna"

ボーイソプラノの美しいハーモニーと、ボーイアルトの切ない返事のような掛け合い、

その両方を楽しむことのできる曲としてとってもお勧めなので、Lux Aeternaも聞いてみてくださいね!!

 

Vesperaに戻り、曲は2番に入り少しずつ情景が変化していきます。

 

The heaven soars with voices above(天国は主の声で舞い上がり)
The skies resound the power of your love(主の愛の力が空に響く)
The stars shine out your glorious light(星は主の輝きをいっそう照らし)
Shine through our gloom and take us on high 

                   (隠れた私たちへも輝きが下り、高く空へと連れてってください)

                                                                 

                               ※我ながらなかなかいい意訳になったかも?!
 

Daniel CatのHigh noteをはじめとする"3人のSolo"が重なり合い、ボーイソプラノのハミングと共にまたLucaのSoloが幕を開けます。

 

LucaのFocus Blogでも触れましたが、Lucaは曲の情景の変化によって歌い方や感情の入れ方に起伏を付けられる表現の変化ができること、Artist(choirの中のSolistとしての域を完全に超えています)ですね。

最後の"Take us on はぁあああい"の所なんて、もう涙腺クラッシャーですよ笑い泣き

CDの音源でも、かなり1st Soloと2nd Soloで感情の入れ方の変化が伝わると思うのですが、マイクの音量調節に限界のある12月のコンサートでは、Lucaの声量の強弱の変化が直接伝わり、一曲目にして一番の感動ポイントでした!!

 

そのLucaの作り出した情景の起伏をそのまま引き継ぐように、

 

Keep me as the apple of an eye(主の幼子である私を守ってください)

Hide me under the shadow of thy wings(あなたの翼の陰で隠してください)

Keep me as the apple of an eye(主の幼子である私を守ってください)

Hide me, hide me, hide me.....

 

と情景の変化のFlowをそのまま、Soloの交わり合いとボーイソプラノ・アルトのUnisonの掛け合いは終わり、曲はいよいよクライマックスへ。

最後は、この曲のこの曲の集大成といってもよいでしょう!!

ボーイソプラノの甲高いハーモニーに、ボーイアルトのこれまでで一番の力強く厚みのある旋律の掛け合い、更にはDaniel CatのHigh noteまで加わり、全ての要素が重なり合います。

 

Sancto Spiritu(聖霊よ、来たりたまえ)

Rerum Creator(この世の創造主よ)
Sancto Spiritu(聖霊よ、来たりたまえ)
Sancto, Sancto Spiritu(聖霊よ、聖霊よ...)

 

もう、圧倒ですね...

Liberaサウンドの集大成の縮図をこのフレーズにすべて詰め込んだようなクライマックスです。

そして最後に落ち着いた調子を取り戻し、

 

Te lucis ante terminum(あなたは夜明け前の光、希望)

 

と、Lucaの切ないSoloとDaniel Catの美しいHigh NoteでVesperaは幕を閉じます。

いかがでしたでしょうか?!

 

いやぁ、解説が長すぎ!!ゲッソリ 本当はあと2曲はご紹介する予定でした笑い泣き

                                      (また改めて、感動部門第2弾として綴ります!!←結局綴るんかい)

 

しかし、AngelFar Away, You Are Thereなど有名すぎる曲ではなく、あえて少し隠れた、でもLiberaならではのいいところがたくさん詰まった、Vesperaという一曲。

 

音楽的な技術的にも、パート的にもかなり深く深くFocusしてみました!

曲の構成や歌詞の意味を深く理解し、注目して聞いてみるのも、たまにはいいかもしれませんねウインク

 

それでは、

Bye for now!!

 

※本文中写真の著作権はLibera本国公式に帰属します。

※音楽用語は太字オレンジで装飾しています。