この前の記事の最後に、BillがTamaraのせいで心身ともに消えない傷を負った、と書きました。身体的には左目と左足に重度の障害を残し、このことは過去の記事でも何度も取り上げています。

 でも、精神面でどの程度の傷を負ったかは、まだ書いてないことがあります。



Billは精神的にも消えない傷を負った



 Sandraから引き離されていた間、丸4年も自殺行為を繰り返したほどの苦悩は、Billの心に深い傷を残しました。Sandraとの再会後も、Billはもはや'88年以前のような、屈託のない安心感には戻れませんでした。

 Sandraと一緒に過ごす幸福を噛みしめながらも、常にBillは【愛の喪失への恐怖】との隣り合わせに苦しむことになります


 彼はほんの短時間でもSandraから離れると、不安に駆られるようになり、再会直後にはわずか5分間Sandraが席を外しただけでもパニック寸前になるほどでした。


 あのインタビューに乱入した時も、Billの顔が真っ青で、精神的に追い詰められているのが分かりましたが、こういったことは日常茶飯事だったそう。


 数時間離れていると、息も絶え絶えにSandraの腕に飛び込み、「きみのいない時間が長すぎたよ。僕、飢えてる。きみに触れるのが僕の呼吸なんだ」と口走る有様。しかもこれ、映画スタッフに記録されちゃってるのよね…。


 落ち着いた精神状態なら、どのタイミングで相手を求めていいか判断がつくもの。でも、Billは幼少期から度重なる壮絶な経験をしてきた挙句、Sandraとの愛に幸福を見出した時に取り上げられたのです。やっとの思いで再会できたとなれば、理性が飛んでしまっても不思議はありません。自分でも言ってる通り、彼は4年もの間Sandraと引き離されて苦しみ、心身ともに愛に飢えていたのですから。


 親切なスタッフたちは事情を分かってくれていて、突然BillがSandraに飛びついたりすると、気を利かせてそっとドアを閉めて離れてくれたりしたそう。



Billは少しでもSandraから離れると気が動転するほどだった



 Sandra自身はといえば、あまりに激しく求められることに最初は戸惑ったものの、次第にBillの想いを深く理解し、ますます献身的に彼を愛してくれるようになりました。彼女は日記などに「Billの命は私の言動ひとつにかかってる」と、何度も書き込んでいます。


 ところでBillの極度の不安は、単なる精神的後遺症ではなさそう。彼のパニックは常に現実の【今】に即したもの、Tamaraたちが2人を引き離そうとする時に起きるものでした


 その典型的な例が1994年12月の一件。長くなるので、このことは次の記事で書きましょう。




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