Bill Pullmanと世間には知られていない2番目の妻Amalieのお話。この件は母にとってかなり印象が強かったようで、いろいろ記憶が蘇ってきています。
Billがシャイすぎて、なかなか気持ちを伝えられなかった話はこの前書きましたね。
「父(=Bill Pullman)は器用で、綺麗な小物を作るのが上手だった。ある時、父はいつになく熱心に、夢中になって何かを作った。アクセサリーボックスだった記憶がある。小さかった私は父の表情を見て、"これ、あの女性にプレゼントするのね"と思っていた。ところが完成すると、父はしばらく眺めてから急に表情が暗くなり、ため息をついて、それをどこかにしまい込んでしまう。しばらくすると、また別の小物を熱心に取り掛かり、やっぱりどう見ても彼女を想いながら作っているようなのに、できあがると、またしまい込む」。
どうやらプレゼントしようと思って作っても、気後れしてしまったんですね。シャイにも度が過ぎる…🩵 実際、小さかった私の母はすっかり痺れを切らしていたと、言っています。
「私は思い切って、"それ、彼女へのプレゼントでしょう? プレゼントは自分で歩いていけないのよ"と、父に言った。すると、父はしどろもどろに、"いや、ちょっと思いついて作っただけなんだよ。その…売ってもいいしね"。とうとう私は、その小物をそっと取り出して、いい折りを見て彼女に渡すことにした」。
私の母は行動力に優れていますが、小さい時からそうだったんですね! 父親の小物だけじゃなく、時には父の焼いたクッキーを渡してみたり、そうしながら母は「父はあなたが好きなのよ」と、父の気持ちをAmalieにそっと伝えていたそう。
すごく面白かったのは、髪飾りのエピソード。幼い母を連れて買い物に行ったBillはショーウィンドウで綺麗な髪飾りが並んでいるのを見つけ、しばらく眺めていたそう。何となくぼうっとして、少し悲しそうにさえ見えたので、幼い母はすぐに自分の父親があの女性のことを考えているのを見破りました。
「"あの女性にプレゼントするなら、どれを選ぶ?"って、私は聞いた。父はドキッとして、"いや、別にそういうつもりは…。ただ、綺麗だなと思って。"でも、私は負けずに聞いた、"パパはどれをプレゼントしたいの?"。すると、父はもじもじしながらも、私が1番きれいだと思った髪飾りを指した。私と父はどちらも綺麗なものが好きで、感覚も似てた。私が強く勧めたので、父もとうとうその髪飾りを買った。ところが、帰り道にまた"僕ったら何をしてるんだろう。やっぱり彼女にあげる機会なんてないよ。これはリーザちゃん(Billは娘をそう呼んだ)にあげる。好きなんだろう? つけるといいよ"」。
そうしてBillは私の母にその髪飾りをくれたのですが、そこはませた私の母のこと。表面上は受け取っておいて、次にAmalieに会った時に「これ、パパがあなたのために選んだのよ」と、髪飾りを渡したのです!
Amalieはとても喜んだらしく、次の教会の礼拝の時、その髪飾りをつけて現れたそう。Billはそれを見て、信じられない喜びでいっぱいの表情をしたそうです。
当時のBill Pullmanはまだ18歳くらい。すごくシャイで、恋に不器用だったんですね。母の仲立ちがなかったら、どうなっていたか…。
