今更札幌って…マラソン前代未聞の開催地変更案で世界の恥
日刊ゲンダイDIGITAL 2019/10/17
 

マラソン代表を決めるMGCは東京を走ったが(代表撮影)

「そもそも無理がありました」
 
 その一報を聞いてこう言ったのは、元陸連強化委員長で専務理事などを歴任した澤木啓祐氏(順大大学院特任教授)だ。
 
 国際オリンピック委員会(IOC)は16日、2020年東京五輪の男女マラソンと競歩のコースを東京から札幌に移す検討に入ったと発表した。開幕まで1年を切ったこの時期に、IOCが異例ともいえるコース変更に動いたのは、6日に閉幕した世界陸上(ドーハ)ロードレースの結果が大きい。

 女子マラソンは気温30度、湿度70%以上の過酷な条件の中で行われ、68人中28人が棄権。男子50キロ競歩は46人がスタートしてゴールしたのは28人。選手やコーチ陣からは「非人道的」「地獄のレース。身体へのダメージが大きすぎる」との批判の声が多数出た。
 
 前出の澤木氏は16年9月の本紙インタビューで「東京五輪のマラソンや競歩は北海道か河口湖付近でやればいいと思う」と語っていた。
 
■「懸命な判断」
 
 改めて話を聞くと、「まだ正式決定ではありませんが、スポーツ医科学の知識のある方々の賢明な判断です。マラソン、競歩は暑さと湿度の連動が選手に多大な影響を与える。札幌も8月は暑いが湿度は東京よりかなり低い。マラソンが開催都市を離れるのは正直寂しいですが、選手の体を第一に考えれば当然です」と言った。
 
 東京五輪は近年の酷暑が懸念され、マラソン、競歩のスタート時間は、午前6時、午前5時30分にそれぞれ繰り上げられた。コース上は遮熱性舗装され、ミストシャワーや大型扇風機も設置される。そんな小手先の対応では選手の体を守れないことをIOCも理解したのだろう。振り返れば、「そもそも無理があった」のは、ロードレースのコース選定だけではない。スポーツライターの工藤健策氏が言う。
 
「招致の最終プレゼンで安倍首相は、原発事故の汚染水について『アンダーコントロール』と大ボラを吹き、その際にアピールした『コンパクト五輪』は早々に崩壊した。最終日に行われる男子マラソンが開催都市を離れるなんて前代未聞です。開幕まで9カ月しかないのに、本当に札幌にコースを変更できるのか。結局、専門知識のない者たちが東京開催ありきで動いてきたことが、ここにきてまたまた露呈したということです」
 
 IOCは札幌変更は暑さ対策が理由というが、何を今更だ。五輪を東京で開催すること自体に無理があったと言わざるをえない。
 
=== 日刊ゲンダイDIGITAL 記事(ここまで)===
 
 厚化粧の緑のタヌキが男女マラソンと競歩のコースを東京から札幌に移すことに反対しているようですが、東京の夏の暑さはこれらの競技を行うには不適です。選手に死人が出る前に中止を決定すべきです。
 そもそも東日本大震災復興支援 オリンピックなどやるべきではなかったのです。オリンピック工事のために復興が遅れるという馬鹿げた事態になっていることは、多くの良識ある国民の知るところとなっています。オリンピック工事が終わるとたくさんの失業者が巷に溢れることになります。本末転倒です。