U18“日の丸問題” 柴山大臣が高野連に強要か文科省に聞いた
日刊ゲンダイDIGITAL 2019/08/30

「なし」から一転…(C)日刊ゲンダイ

「自ら日の丸を外すのなら、試合に参加しなくてよい」と、自民党の武田良太元防衛副大臣が党の会議で吠えれば、NHKから国民を守る党(N国)の丸山穂高衆院議員は自身のツイッターで「日の丸忌避なら少なくとも『日本代表』を名乗るな」と言いがかりをつける。
 
 韓国で開催するU18野球W杯に出場する高校日本代表に、高野連が日の丸入りのポロシャツを着用させずに現地入りさせたことについて、政治家の“苦言”が相次いでいる。
 
 この件を騒ぎ立てているのは、武田氏や丸山氏ら三下議員だけではない。高野連を所管する柴山昌彦文科相まで“参戦”。28日、自身のツイッターに「日の丸のないポロシャツについても、以後替えて日の丸のある物にするとのことです」と投稿したのだ。
 
 この文言だと、柴山氏が日の丸の件について、高野連に問い合わせたようにもうかがえる。
 
 柴山氏は国内最大の右翼組織「日本会議」を全面支援する国会議員懇談会に所属。文科相の就任会見で、いきなり戦前の教育勅語について「アレンジした形で今の道徳などに使えるという意味で普遍性を持っている部分がある」と言い放った。
 
 日の丸についても一家言ありそうだが、まさか、高野連に日の丸を強要したのではないか。文科省に問い合わせると、スポーツ庁政策課学校体育室長が取材に応じた。
 
「28日に日の丸なしの対応を報道で知り、昼前に私から事実関係を高野連に確認しました。対応した理事も知らなかったようで、現場に確認してもらい、ポロシャツについて追って連絡があったのは午後3時ごろ。『高野連会長が現地帯同の事務局長に“日の丸入りのモノを使うように”と指示した』との回答でした。その状況を大臣に説明したので、恐らくそれを踏まえてのツイートでしょう」
 
■騒ぐほど球児が外交問題に巻き込まれる
 
 ――高野連への問い合わせは大臣の指示か。
 
「私の自発的な判断です。大臣への説明も、報道された全ての事柄の状況を常に報告するわけではないが、この件は報告した方がいいと思った」
 
 ――大臣の顔色をうかがった上での判断では?
 
「それも違います」
 
 ――高野連に日の丸着用を要請したか。あるいは圧力を加えたか。先方も圧力と受け止めたのではないか。
 
「要請もなければ、圧力を感じさせる言葉も使っていません。先方もそんな雰囲気ではなかったようでしたし、日の丸着用はあくまでも『自主的にした』との説明でした」
 
 代表選手は29日、バス移動の際、そろって日の丸入りの練習着を着ていた。
 高野連にも事実関係を確認しようとしたが、抗議が殺到しているのか、一度も電話がつながらなかった。政治家が騒げば騒ぐほど、球児が外交問題に巻き込まれるだけ。そんなことも想像できないガキが政界には多すぎる。
 
=== 日刊ゲンダイDIGITAL 記事(ここまで)===
 
「安倍糾弾デモ」を主催してきた市民団体の連合体が声明を発表しています。

・日本高校野球代表チームは日章旗を外す必要はない
・安倍政権の経済報復や軍国主義化に反対するもので、日本の国民を敵対視するものではない
・人種差別と嫌韓デモを先導する一部の日本人以外の日本市民に対しては、遺憾の意を一切持たない
・糾弾市民行動は、8月24日のキャンドルデモの中で『もし韓国を訪問した日本市民に対し、不当な害を加える人を見たら積極的に止めて、共に保護しよう』と呼びかけた
冷静で常識的な内容です。
 
日本の極右文化人やマスコミ、そして政治家がいかに下劣で、感情的で、対立を煽っているかがよくわかります。