昨日はアイルランドの守護聖人にまつわるお祭りの一つ「St. Patrick's Day」だったため、住んでいるロンドンを出てここイギリスの第二都市バーミンガムまで足を運び、アイルランドの次に規模が大きいと評判のパレードを見物していた私たち。
一緒に来たメンバーは夫のゼノ、ゼノの下級生で秘書候補をしている悪ガキのヒューゴ、ヒューゴの一人息子で赤ちゃんのジョージ、ヒューゴが一時保護している少年たちの兄弟、ゼノが子供の頃から勝手にお兄ちゃん代わりにしている同居人で超天才のジャック、ゼノとヒューゴの下級生で一家に居候している超イクメンの末っ子リアム、その末息子にだけは超雑で超適当だったことから「ミセス・デビル」と大評判の超逞しいリアムのモル、リアムと契約結婚したけど離婚が決まったお嬢さん、家族から虐待されて怪我を負ったことで保護しているスコットランドの青年ファーガス、さらには雇用しているボディガードで天使のような少年顔の美青年・ヴァシリオスと超ハートフルなハゲ頭のジョージおじさんがバーミンガムの物件に滞在していました。
全部で大人が10人、子供が3人…の、計13人。
そこに賢い子犬のアーサーとアーサーの兄クリストフが一緒にいるので、計算すると「パピー2匹」が追加になるのは当然でしょう😊😊😊💕
しかし…玄関を見れば昨日の「フラッティ」がいるんですが、これはなぜだと思いますか?😂😂😂
絶対、捨てられた…😂😂😂
※「フラッティ」はこの大型犬の愛称で、正式な犬種はフラット・コーテッド・レトリーバー。

まずこのフラッティの存在にいち早く気づいたのはやっぱり賢い子犬のアーサーで、超美少年のままなぜか老けない夫のゼノが今朝もアーサーを連れてお散歩しに行こうとしていたときのこと。
問題のペアと一緒にいたのはアーサーの兄クリストフと新しいご主人様になるヒューゴ、ハゲフレンドリーなゼノをガードしようとした超オープンマインドで超適当なジョージおじさん。
ゼノのダディでもある家主のセバスチャンが所有するこの物件には入り口に大きなアイアン製のゲートが設置され、ゲートに繋がれていたフラッティが黒だったことから最初はゼノとヒューゴも存在に気づかなかったものの、玄関を出たアーサーが「あれ?君、お家は?」と声をかけたことで発覚😂😂😂
飼えないなら飼えないでそう一言添えるとか、寄付金を払ってシェルターに連れて行くという方法があったはずなのに、あの親子連れはなぜそれをしなかったんでしょうか😂😂😂
過ぎる脳みそ筋肉で大爆笑していたのは、こちらもやっぱりジョージおじさん😂😂😂
そしてフラッティが繋がれていることに気づいたゼノは動物と暮らすのはアーサーが初めてだったから私を呼びに来て、行ってみたら非常にフラッティらしかったというか、ジョージおじさんと同じで超ポジティブな性格をしているから捨てられたなんて欠片も気づいておらず、それはそれは楽しそうに子犬のアーサーやクリストフと追いかけっこしながら走り回ってます😂😂😂
こんな時は誰も傷つかないのが一番とはいえ、あまりにもフラッティが能天気で危機感もゼロだったことには頭が痛かった、今朝の朝食はこちら。



Irish Soda Bread.

先日お店を手伝ったパン屋のおばあさんがお礼にといって、リアムとヴァシリオスに持たせてくれたアイルランドの伝統的なソーダブレッド😊😊😊💕

St. Patrick's Dayにはこのソーダブレッドとグリーンのギネスビールが定番😊😊😊💕

イーストを使ったとてもシンプルな味わいのパンなので、今日は塩気のあるバターと甘いブルーベリーのジャムを合わせてあります😊😊😊💕

お店が忙しくなる直前のタイミングでおばあさんの夫で昔から体の弱かったおじいさんが倒れ、末っ子リアムが持つホスピタリティとサービス精神からお手伝いしたら2日も美味しいパンを楽しむことができて、今年のSt. Patrick's Dayは例年よりも楽しい思い出が増えたよね😊😊😊💕


朝食を終え、本日一番の問題は黒のフラッティ。

確認したところこちらも子犬のアーサーたちと同じ男の子で、まだ赤ちゃんで社会性が完全ではないアーサーやクリストフが無作法に駆け寄っても気ままに走り出したりはせず、少しのことは一応考えてから行動するところだけを見ればすでに18ヶ月を超え、一人前のドギーなのかもしれません。

ただこのフラッティは時間が経っても自分が捨てられたなんて全く考えていないといった朗らかさを持ち、犬種から非常にポジティブで超前向きで超アクティブだから「食べて、遊んで、他のことは…わからないや!」といった印象はやや幼く、賢い子犬のアーサーに「教えられている」ような素振りを見せてしまうあたり、ものすごく気の良い性格をしているか、もしくはあまり深いことは考えない、ちょっとしたおバカさんなんでしょう…😂😂😂

超一流のエリート紳士なのに脳みそ筋肉で特定の分野に関してだけはEmpty Headedの疑惑があるヒューゴのことを仲間と認識したら早く、末っ子リアムが超イクメンのお世話上手だとわかれば愛想よく甘え、リアムのモルがまるでアン王女の生き写しかのような超逞しい女性だと気付けばサクッと媚びて回り、ゼノのことを「おやつ持ってる!」と覚えたらそこだけは超頭が良かったり、明るい性格で落ち込むことが少ない犬種だと言われているのはこういうことかと痛感します😂😂😂

お隣に住む超毒舌な老婦人にこのフラッティを知らないかと話を聞いてみれば「マリアったら、あのバカ犬を飼うつもり?」と絶句され、その理由は夜中に訪ねてきた親子連れが地元の出身だというのに訛りが強過ぎて全く聞き取ることができず、そんな何を言っているのかすらわからないような人間が育てた犬ならトレーニング不足で賢さなんてゼロに違いないからやめておきなさい、ということ😂😂😂

苦労してるね、フラッティ😅😅😅

確かに子犬のアーサーも生後9ヶ月になったばかりとは思えないほどに賢くて頭脳だけはもうすっかり一人前だから、フラッティがおマヌケなことをするたびに「ポカーン…」としてしまうのは他の犬に対してもよくあることだし、これはアーサーがパピーにしてお利口だという証拠だよね😂😂😂

細かいことは何も気にしていないといった様子のフラッティ、フラッティのおおらか過ぎる対応に度肝を抜かれるアーサー、賢い弟がフラッティのせいで一時的なコミュ障に陥り、焦ってオロオロしているクリストフ😂😂😂

あの…フラッティって、元は賢く知的でお利口な犬じゃなかったっけ?😂😂😂

特に黒くて毛艶のいい犬種の場合は非常に賢く頭も良さそうで、知的で思慮深そうに見えるのに…。


今日はここイギリス時間で、3月18日。

天使一族がこの世に残した末っ子ヴァシリオスはギリシャ出身でギリシャ正教会に所属している関係もあり、昨日でCheesefare Sunday(チーズ料理の日曜日)を終え、今日は一人だけイースター前のClear Monday(告解の月曜日)。

ギリシャ正教会は今も昔と変わらずユリウス暦を使用していて、グレゴリオ暦を使う私たちイングランド国教会の教徒は3月31日がイースターの当日ですが、ギリシャ正教会のヴァシリオスだけは5月5日がイースターとなり、本日3月18日から5月5日のOrthodox Easter Sunday(イースター当日)まではお肉やチーズ料理を食べることが禁止されます。

今の時代、ヴィーガンならOKだけどね😅😅😅

ノルウェー系アメリカ人で元アメリカ国籍のジョージおじさんは遠い昔…それも今から半世紀以上も前に洗礼を受けたカトリックから無宗教へと転身し、移住した今も変わらない信仰を保つヴァシリオスのことを「ギリシャ人は本当にイベントが多い国民ですね!祝日も多くてよく休んじゃって!そんなに休んでばかりいたら、脳みそがふにゃふにゃになっちゃいますよ!」と豪快に大爆笑😂😂😂

祝日の数だけなら、ギリシャよりもスウェーデンの方が多いのよ😇😇😇

いくら先日のMeatfare Sunday(お肉料理の日曜日)に告解だけ済ませておいたとはいえ、信心深い天使一族の末っ子は今日も教会に顔を出す予定にしていたので、この「どうする?フラッティ問題」は私たちで解決することにして、天使が単身ロンドンに向かったことでバイバイ😇😇😇

恋人でもあるプシュケの末っ子リアム、念願叶って離婚するお嬢さんと残されたら超心配そう😂😂😂

得意の運転でひとっ走りするだけだからと走り去った天使のヴァシリオス、今にも溢れ落ちそうなほど大きな目に涙を浮かべて「戦地に赴く夫を見送る英国の貴婦人風」にハンカチ片手にヒラヒラさせちゃいそうなプシュケのリアム😂😂😂

リアムではなく詳細も消息も不明の男性と結婚間際に恋に落ち、妊娠していたことがわかったお嬢さんは女の私に任せてもらおうかな…😇😇😇

天使が去ったあとは能天気なフラッティ問題だけが山積みに残された、今日のフィーカはこちら。



Cherry Cheesecake Bar.

今日はフラッティの件でやることが増えてしまっていつもより忙しかったので、超シンプルなチェリーのチーズケーキをバーにしました😊😊😊💕

そして超ド級のモラハラキッズでもある少年たちの次男(5)はとうとうリアムのモルにモラハラとセクハラ行為を働き、こちらは超イクメンの末っ子リアムにその遺伝子を継がせただけあって決して声を荒げたりはしないものの、静かな怒りと共に鬼の形相へと進化したモルが登場!😂😂😂

見ていたリアムは「ねぇ?僕のマムって怖いでしょう?子供の頃からああなんですからぁ…」と、一切止めることなく涙ながらに訴えています😂😂😂

ご想像ください😂😂😂

地域最強の悪ガキがアン王女に命知らずな行為の数々を働き、静かにブチギレられている姿を…。

次男にはいい薬かな😇😇😇


黒のフラッティはシェルターと警察に連絡し、一応このフラッティが自宅から「脱走」したり「盗まれた」ものではないことを確認したあと、さてこのフラッティのお名前と年齢、元のご主人様はどこの誰だろう?が人間たちには問題。

ここまで育った犬を捨てるなんてモラハラに違いないから万が一にもフラッティが「予防接種をしていない」なんてことになったらさらなる事態へと発展してしまい、穏やかな性格だけど噛まれたりしたらちょっとした騒ぎになることも確実だったので、仕方がないから動物病院に行きました😇😇😇

非常に慣れた様子で動物病院の中へと入り、のんびり寛ぎながらスタッフの誰とでもフレンドリーに接するフラッティ😅😅😅

すると担当した獣医師は見知った顔のフラッティであることに気づき、「あれ?ジャスパーに似てるなぁ…」と名前まで連発😂😂😂

結局このフラッティはマイクロチップから獣医師のいうジャスパーではなく「その弟」だったことが判明し、飼い主に連絡したけど電話が繋がらない。

それもそのはず、その電話は自宅のものだったんですが、…解約されていたんです😂😂😂

あのモラハラ、どうしてくれましょう…😂😂😂

試しに飼い主の住所を聞いて自宅を訪ねてみたけどもぬけの殻だったというか、すでに引っ越してしまったあとだとわかり、一斉に「このフラッティ、どうするんだよ…」といった雰囲気へと様変わり。

でもフラッティは感覚から自分と似た気配がするヒューゴをにこやかに見上げ、「お兄さん、僕のこと飼わない?」と速やかにアピール。

その後もフラッティとヒューゴは「何で僕なんですか…」「お兄さん、僕の気持ちわかるでしょう?」「君も虐待されたんですか?」「そうじゃなくて、単純じゃない?」という押し問答を続け、図星過ぎてヒューゴは何も言えません😂😂😂

しかしここでフラッティは新しいご主人様にヒューゴを指名してくれているような気さえしてしまいますが、ヒューゴは先にクリストフを新たな家族に迎える予定があり、突然のことでクリストフがストレスを感じてしまう可能性もあると思います。

かといってこのままフラッティをシェルターに預けようにもこちらのシェルターはこのところどこにも空きがなく、できることならこの場にいる誰かにこのまま飼って欲しいのが全員の本音。

悩んでいたら超イクメンの末っ子リアムがヴァシリオスに電話をかけ、「バジルは猫が好きだと聞いていますけど、犬はどうですか?」「僕は愛想のいい動物なら何でも好きですよ」「今朝のフラッティなんですけど、僕とバジルで飼ってあげませんか?恋人関係を終える日が来てバジルが嫌だったら僕が引き取りますから、どうでしょう?」と提案し、違うことに「そんな日が来るんですか…?」と言葉を発したヴァシリオス😂😂😂

この天使は恋人ならいつか別れると、好きなら好きだと言わなきゃわからないと、少年時代のギリシャで習わなかったんでしょうか?😂😂😂


このまま本来の飼い主が戻らないのであれば末っ子リアムが引き取ることに決め、さてフラッティの名前を教えてもらいましょう😊😊😊💕

そう誰もが思っていたのにマイクロチップを読み取ったところ何かのアルファベットを羅列したものなのか、はたまたここイングランドやアイルランド、スコットランド、ウェールズといった連合王国に由来した名前ではないのか、フラッティが与えられて登録済みだというのに一人も読めない😅😅😅

登録してある名前は「psgsdktk」とほぼ暗号で、残念ながらスウェーデンや北欧諸国に伝わる名前でもありません😅😅😅

プスグスドゥクティクでいいの?😅😅😅

あの、モラハラ親子😂😂😂

全てにおいてお世話上手なリアムも「君の名前は何だったんでしょうねぇ?」とフラッティ自身に問いかけてみたけどフラッティは何も考えていないといった笑い顔で欠伸をするだけにとどまり、再びヴァシリオスに電話をしたらこの天使は「名前が読めないなら、僕はエヴァンゲロスと付けたいです」と新しい名前を決めてくれたので、こちらはギリシャ発祥の名前だったから私たちにはわからないスペリングをチャットで送ってもらい、獣医師も読んで正しく発音できるように英語表記の「Evangelos」で登録し直すことになりました😅😅😅

これはギリシャ語の「ευ」(良い)と「αγγελοζ」(天使または使徒)を合わせたものなんだそうで、二つをくっ付けると「良い知らせをもたらす天使」という意味になるんだって😊😊😊💕

ヴァシリオスもギリシャ語のファミリーネームはアンゲロス(天使)だから、名前の一部がフラッティとお揃いになったね😊😊😊✨

ねぇフラッティ、勉強もスポーツも芸術も得意で知識も知恵も教養もあって賢く頭のいい末っ子ヴァシリオスのおかげで一気に思慮深い名前に改名されたけど…君、本当にこの名前で大丈夫かな?😂😂😂

推定年齢は2歳ほどで、恐らくコロナ禍で人間たちが寂しさを抱えていた時期に衝動で迎えたものの今度は飼い続けることが難しくなり、引っ越しするタイミングでこれ幸いと置き去りに…。

アイルランドの祝日「St. Patrick's Day」が終わる頃の夜中に連れて来られ、ギリシャ正教会の「Clear Monday」当日の朝に発見されたこのフラッティなら、きっと名前が期待負けにならない賢いドギーになるはずです😊😊😊💕

プシュケと天使の賢く頭のいい末っ子たちがご主人様になれば、フラッティの知能も高まること間違いなし…だと思いたい、今夜のディナーはこちら。



Potato Pancake.

フラッティ問題を片付けていたら仔犬のアーサーとクリストフ兄弟のことをお散歩以外はやや放置気味になってしまったので、遊んであげる時間が少なくなってしまったお詫びも兼ねて今夜は二匹が好きなポテトのパンケーキを焼きました😊😊😊💕

犬だけど野菜が大好きでお肉が苦手なアーサー、犬らしくお肉が大好きで野菜が苦手…むしろ嫌いなクリストフもポテトは好き😊😊😊💕

アーサーは自発的に完全なベジタリアンでソイとお魚もあまり得意ではなく、ポテト以外の野菜をサーブされると凍りついちゃうクリストフを見て「お兄さん、僕が食べてあげるね!」と高速でお顔を突っ込むところはやっぱり末っ子😂😂😂

クリストフも私がふざけて野菜を隠しているとアーサーを見ながら「ねぇアーサー、君って野菜が好きだよね?良かったらこれ、食べない?」とお誘いするところは、仲のいい兄弟だと思います😊😊😊💕

フラッティ改めエヴァンゲロスもお肉が好き、ってことでいいかな?😇😇😇


時刻は夕方に差し掛かるという頃に第二都市バーミンガムを出発し、住んでいるここロンドンのハムステッドに車を飛ばして帰って来た私たち。

恋人の末っ子リアムを今か今かとソワソワしながらお利口に待っていたヴァシリオスは迷子になってお家がわからないシャムの仔猫のようにあたりをウロウロして回り、そんな恋愛経験ゼロで恋愛初心者の恋人がかわいくて仕方がないリアムはお嬢さんがいることをほぼ完全に忘れていましたが、ちゃんと車から下ろすときはリアムがドアを開け、お嬢さんはただいま妊娠中だから危なくないように片手を差し出し、目立ち始めたお腹が重くて立ち上がることが困難になれば腰に腕を回して立つのを手伝ってあげたりと、このイクメンの末っ子がどれほど素晴らしい夫になっただろうかと思うと、何だか迎えた結末が気の毒にもなってくるものです😅😅😅

それでいて嫌味も小言も文句も愚痴の一つも決して言わない、末っ子リアム😇😇😇

一人前の超エリート紳士として振る舞う姿をゼノとヒューゴも黙って見守り、この二人も下級生が立派になったことを誇りに思ったでしょう😊😊😊✨

母国ギリシャと亡き親族の名に恥じない紳士であるよう遠慮がちに駆け寄るヴァシリオスにもリアムはたっぷりの愛情を注ぎ、ハグとキスで甘やかすことだって忘れません😊😊😊💕

男の子たちの方がピュアでキュートでクリーンな恋をしていて、何だか羨ましい😂😂😂

肝心のフラッティも名前を付けてくれたお兄さんがわかるのかヴァシリオスにも飛びつくようにしながら戯れていたので、これからはきちんとした名前を呼んで今より賢くなるようトレーニングも頑張ってもらいます😊😊😊💕

体は大きな大人になっても心と脳内だけはまだまだ小さな子供のままでいるエヴァンゲロス、賢い仔犬のアーサーに先を超されないようにしてね😂😂😂

このフラッティの将来が、超不安😇😇😇


God natt...