ある日のバス停。


たまに外国からの観光客に道を尋ねられる。

親切そうに見えるのだろうか?

ちょっと言葉が話せそうに見えるのだろうか?


「エクスキューズミー」

こういうときは、わからないながらも、少しでもお手伝いできるように頑張ってしまうのだ。

京都は観光地でただでさえ旅行者が多い。

で、群れてる団体は別だけど、ひとり旅の人にはつい親切になるのだなぁ。



このバスは二条城へ行くのか?」


「いや、違う。」 イエスなら簡単だけど、英語力がタメされるシチュエーション。


「何処へ行きたいのか?」


二条城」


「ならば ○×番のバスに乗るといい。」ちょうどそこへくだんのバス。


「このバスだ。私も乗るので一緒に乗ろう。」


英語を覚えたての中学生が旅行者に話しかけるの図・・・なぜかホスピタリティ発揮しないと

という気になってしまった。


「どこから来たの」


ブラジル


「今日の京都はすごく寒い。日本は寒いでしょう?」


エエホントに・・昨日は東京で今日と明日京都を観てまわる。二条城の後は嵐山へ行くつもり


「ああ、今ライトアップしていて綺麗だと思う。」


京都の印象は?すごく素敵な町だ。それでも最近はビルが多いけど。

東京に比べたら全然違う。東京は騒々しい。二条城まではどのくらい?

ここから15分くらいかな。アナウンスに気をつけているといい。

バスの右手に見えてくるから・・・。


ところで、あなたは英語をどこで習ったのか?」


「中学と高校だけど」


日本に来てこれまで会った人の中で一番上手だ。」

彼女はそう言った・・・確かに。

めちゃ気分が良かった。ていうか、楽しいひとときだった。

確かに 高校時代は 英検2級だったけど・・・今はお粗末なものなのに

一生懸命理解しようとしてくれるのが嬉しかった。


二条城の後、嵐山へ行くと言い 地図のJR二条駅を指さすので、

いや、四条大宮から嵐電に乗るといい。

小さな可愛い電車で街中を走るので 景色もおもしろい・・・

と伝えたつもりだったのだが

果たして彼女はちゃんと嵐山へたどり着けたのだろうか。