中島みゆきの「夜会vol.15」大阪公演初日に行ってきました。


コンサートでもミュージカルでも演劇でもない

楽曲はすべて書き下ろし、初めて聴く曲と舞台の演出に観客がどう反応するのか

理解ができるのか「言葉の実験劇場」ともいわれているステージ。


対象は完璧大人なので 開演20時 チケット2万円というべらぼうさ。

夜会VOL.14 24時着00時発/中島みゆき
¥6,615


ユーミンと中島みゆきは 共に同世代の女性とし憧れでもあります。


第一線で走り続け、美しくあり続ける女性として。才能もあるし自己主張もするし。

音楽は陽と陰 対極だけど。




はじめて見ましたが、舞台は難解。

日本だか中国だかの古い縁切り寺の門前で暦売りをする中島みゆき。

寺の尼さん 記憶をなくしたオトコ 昔掠われた少女が登場して、

歌が続く・・・。

言語明瞭なのに、初めて聴く歌は意味不明瞭で、理解が難しい。


ただ、何度も流れる「109番目の除夜の鐘が鳴り始めたら、鳴り続けたらどうしよう・・」とか

「旅支度なさいませ・・」という 歌から 昔約束を果たさなかったもの、捨てた者 裏切られた者たちが

その後どうなるのか、というお話しなんじゃないかなぁと。


2幕になると 空間いっぱいに魚たちのいる水族館。

ここでも、それぞれ絡みがあって、姉と弟の約束・・・のイメージが出てくる。

その後、子供を捨てて後悔している母親役のみゆきが舞台の上で目隠しをして
安寿恋しや・・と謳う。これでぴんと来た。


山椒大夫 安寿と厨子王のその後をモチーフにしているんですね。

パンフを買って初めてわかりましたよ。



パンフレットの最後に 一生は終わればリセットされてしまって、
まっさらなところからやり直せると、この国では誤解されてる気がする。と書いてありました。


輪廻、じゃないけどこの世でなしたことは全部次の世に繋がっていく・・・
みたいな、人の世にリセットはないんだ・・・みたいなちょっと宗教がかった世界でした。


でも、後半に早変わりがあったり 舞台セットがいきなり変化したり
ステージ上に船の舳先をみたてて、舞台から客席にざーっと水が流れたり、
最後はこれでもか、というくらい激しいみゆきワールドでした。



もともと彼女の歌は激情型で、

明るく楽しくというよりは 恨み妬み悲しみ苦しみを吐露するところに 共感者が多いのでしょう。


観客の男女比は半々。

サラリーマンとかGパンの女性とか地味な方が多くて 年齢層も高め。

70年代から 一緒に走ってるってかんじでしたね。