アニメーション映画 風が吹くとき 2024年の世界終末時計 残り90秒 (しんぶん赤旗より) | 日本共産党 おだ真理ブログ

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きょうの潮流

 37年ぶりにアニメーション映画「風が吹くとき」が公開されます。改めて見て、こんな映画だったか、と驚きを禁じえません。

 舞台は1980年代のイギリスの片田舎。登場人物は年金暮らしの夫婦ジムとヒルダです。ある日、ジムはラジオで“核戦争が近い”と聞き、政府の手引書に従って屋内シェルターをつくります。自宅の壁にドアとクッションを立て掛けただけの簡易なものです。   14日分の食料を調達し窓を白く塗り…。爆発前に紙袋をかぶる、という謎の指示まであります。シェルターの造り方を描いた手引書を英国政府が実際に作っていたというから驚きです。82年に絵本作家レイモンド・ブリッグズが原作を描いたのも、政府への怒りが動機でした。それを4年後、日系アメリカ人で親類を長崎の原爆で失ったジミー・T・ムラカミが映画化。

 日本語版の声は森繁久彌さんと加藤治子さんが担当。ほのぼのとした二人の会話はブリッグズの絵と相まって、ユーモラスです。それでいてリアル。悲惨な末路に息をのみます。

 英国政府の手引書はあまりにナンセンス。でも日本も笑えません。内閣官房国民保護ポータルサイトの「弾道ミサイル飛来時の行動について」を見ると、「(屋外では)近くの建物の中や地下に避難する」「(屋内では)窓から離れるか、窓のない部屋に移動する」云々(うんぬん)。

 2024年の世界終末時計は昨年に続き、人類の終末まで「残り90秒」を表示。希望は核シェルターなのか。映画は政府を信じるな、と教えてくれます。