きょうの潮流  ワクチン「すぐに受けたい人は2割」「様子見が7割」 | 日本共産党 おだ真理ブログ

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 ワクチンとはラテン語の「雌牛」を意味します。18世紀末にイギリス医師のジェンナーが牛痘を人に接種することで天然痘が予防できると発見。それが由来といわれています。

 

 その後、近代細菌学の祖とされるフランスのパスツールが体に免疫をつくらせる物質をワクチンと呼ぶようになりました。感染症の歴史は、人類がその拡大を科学の力によって防ごうとしたワクチン開発の歩みにも重なります。

 

 新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。世界の感染者が1億人をこえたいま、収束の切り札と期待されています。しかし供給をめぐり、早くも各国の争奪戦や格差がうきぼりに。途上国は置き去りにされ、有効率の高いワクチンを先進国が独占する流れになっています。

 

 欧州連合(EU)は域内で製造されたワクチンの輸出について規制措置を講じると発表。自国優先の「ワクチンナショナリズム」と批判の声が上がり、世界保健機関(WHO)も公平な配分を阻むことになると懸念を示しています。

 

 日本は2月下旬から医療従事者に、つづいて65歳以上の高齢者に接種を開始する計画だと政府はいいます。ただし世論調査では、すぐに受けたい人は2割ほどにとどまり、様子見が7割にものぼっています。

 

 通常5年から10年かかるといわれるワクチン開発。急ごしらえに不安を覚える人は多い。正確な情報の伝達とともに安全性の確保、公平さが求められます。「科学に国境はない」。先駆者パスツールの言葉を肝に銘じるときです。