なかにし礼さん | 岡部まり オフィシャルブログ Powered by Ameba

なかにし礼さん

日本を代表する作詞家、作家である「なかにし礼」さんのドキュメンタリー番組を拝見。
満州生まれの氏は、幼い頃に命からがら日本へ帰国します。
嬉しいことは、ひとつもなかった記憶の中でただひとつ、喜んで見たものは、帰国が決まった船を待つ時に見た空と海の美しさ、、後にこれは、
昭和のヒット曲「ハレルヤ」で恋歌として昇華します。
黛ジュンさんがミニスカートで歌う「ハレルヤ」を幼い頃テレビて聴いていた憶えがあります
愛されたくて
愛したんじゃない、

よく考えたら
深い詩ですね、

満州という土地に託した希望や熱情をすべて捨てて逃げなくてへならない心情を窺わせます

その後、また大ヒット曲となった弘田三枝子さんの「人形の家」では、、

顔も見たくないほど
あなたに嫌われるなんて
とても
信じられない、
愛が消えた今も

(スラスラと歌詞が出てくるほど
名曲😅なのね、
またそれほどヒットしたのね🤭
)
この失恋歌もまた、
氏の故郷、日本への哀歌でありました😢
満州を追われ、引き受けてくれるであろう故郷は、、
日本とは、
引き揚げを体験した少年には、どんな国に見えたのだろう

埃にまみれた人形みたい
愛されて
捨てられて
泣き濡れて
部屋の片隅,
私はあなたに命を預けた

歌詞の奥に秘められた想いを聴いて再び歌を聴いてみると
切ない
この切なさがまた魅力なのですね。

今さら私などが讃えなくても
なかにし礼さんは、天才ですが、、

ひとりの
人としての霊性が
遺された作品のなかに
キラキラと光彩を放ち、
聴くものの魂を慰め、鎮めてくれます。

歌は鎮魂(たましずめ)
芸能人とは、祝い人(ほがひびと)

なかにし礼さんの至言です。

圧巻は、
やっぱり、
北島三郎さんの「祭り」です。

男はそうさ 祭りを
かついで生きてきた
山の神 海の神
今年も本当にありがとう

なかにしさんは、この歌がシャンソン歌詞から始まった、歌書きの終着点である、と述べる。

祭りとは、神のみ前で五穀豊穣を感謝して人々が仲良く分け合う喜びを奉納するものだ

海の見えない、
大陸の果てない景色に立っていた少年は、はじめて海を越えていくつもの波を乗り越えながら
自らの帰属先をペン一本に集中させてついに日の本の祭りに帰着したのだろうか。

在りし日の映像は、大いにイマジネーションを与えるものでした。
その生き生きされた感性が、未だ他界されたことを忘れさせます。
ご冥福を祈る、とともに、
瑞々しい魂の旅のご無事を祈らせていただきます。


姉宅のクリスマスローズ✨