中学受験の思い出話です。
そろそろ思い出はおしまいかな。
でも、今の気持ちを書いておきたいな〜と思います。…長いです(苦笑)。

(あくまでも、私の価値観に基づく、主観の話です。)

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よく「過去問との相性」という言葉を聞きますが、「行きたい学校」に行きたかったので(そりゃそうだ)、我が家はあまり過去問にはこだわりませんでした。

終わってみれば、姫が合格を頂いた(安全校でないところでね)学校は、記述が多いところでした。

過去問をしている時は、記述の問題は解くのも面倒だし、採点もわかりにくいし、あまりやりたがらなかった姫…。

でも、記号式でミスを少なく、丁寧に、確実にというのは実際イマイチな結果でした。性格的にも「丁寧に」なんて向いてるわけないもんね〜。記述式では、知識を元に考えを述べたり、自分の言葉で表現したり…そりゃそっちが向いてるよね。

入試問題は、学校がどんな子が欲しいかを反映していると言われますが、そういう意味でも、姫には記述式の学校が向いているのだろうな…と後から思いました。

それでもなんでも、行きたい学校の傾向に合わせ、頑張る!というのを否定しないし、むしろ尊敬するけれど、私たちにはできませんでしたキョロキョロ

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もっと傾向と対策を立てれば、持ち偏差値を超えていきやすかったのかもしれないけれど、なんかそういうのは違うかな?って気持ちもあって…。

第一志望になんとしても!なら、そういう作戦もありだけど、我が家はもちろん第一志望に入れたら嬉しいけど、そこに入ることが目的っていうのでもなく。一応は第二、第三と順位をつけていたものの、こういう感じの学校に行きたいな〜というような感じで…。

合格体験記なんかを見ると、「気持ちなら誰にも負けない!」みたいなことを書いてあるので、志望の気持ちが弱かったのかな…。でも行きたい気持ちはあったんですよ、もちろん。でもなんか違うというか…うまく言えないけど、まあ我が家はそんな感じでした。

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個別の事例だけど…

私のお友だちのお子さんが、持ち偏差値は全然足りなかったのだけど、どうしても行きたい&行かせたい学校があって、理系のお父さん(友人)が統計やら何やらを駆使し、とにかく「傾向と対策」を練りに練って、塾に加えてマンツーマンで教えて合格したということを聞きました。

でも、実力を相応のレベルまで上げたのでなく、傾向と対策でなんとかねじ込んだ結果…入学後、とにかく苦労し、みんながすぐわかることが一生懸命やってなんとかだったし、成績も奮わず、中学から高校に上がるのも危ないと、またお父さんがマンツーマンを始めたりしたと…。

来春大学生になるにあたり、なんとか付属大の推薦を頂けたそうで、まあ結果的にはよかったけれど、友人自身も「かわいそうなことをした」と言うこともありました…。

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また別の事例ですが…。彼女は算数が得意で、中学受験前の模試では全国1桁順位をとったりしていました。

そんなわけで、彼女はトップ校を適正校として、進学したのですが、トップというのは天井なしだから、上には上がいるものなのでしょうね。

天性の勉強の才能を持つ子にはとても敵わないし、例の「鉄」なんかでガツガツ努力を重ねる子にも敵わない。

その結果、部活などで楽しい学校生活は送れていたものの、成績はイマイチ奮わず、どうやら自信も失くしていたみたい。

今春、そうは言ってもさすが!だけど、トップ校にしては…の大学に進学しました。でもね、そこに行って「あれ?私、勉強できる?」と驚いたとのこと。いかにこれまで苦しい中にいたのか…と。

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そんなこんなもあって、なんとしても!の気持ちが盛り上がらなかったのかもしれません。

過去の、学校見学について書いた記事でも、上位校について、「素敵だけど深海魚になりそうで怖い」というようなことを何度か書いていて、私はそれがずっと気がかりだったのでしょう。

まあ、1ヶ月に及ぶ入試期間、うまくいかなかったりすると、もっと傾向と対策を練るべきだったのかな…とか。基本的に姫に任せる形で進めて来たことに、もっと母がガッツリと手綱を握るべきだったのかな…とか。弱気になったりもしたので、ここはそれぞれの考え方によるところでしょうかね。

そんな中、苦しい2月の5日間のさなか、中受を終えた先輩ママさんのブログ記事がグッときました。

先輩ママさんのお嬢様は、望んだ学校に進学されたのだけど、それはがっつり偏差値が高い学校というのではなく、校風に魅力を感じ、そしてお嬢様の持ち偏差値的に「適正校」であったとのこと(ブログ記事の記述からの判断で、違ったらごめんなさいだけど、私はそう理解しました)。

そして、実際に通ってみても、適正校だったのだな〜とのこと。

お嬢様が油断をすれば成績が落ちるし、頑張れば上がるという感じなので、勉強をしないとな〜と思うと同時に、勉強したことが結果に表れるのでモチベーションに繋がると。

受験の時には、もっと(偏差値的に)上に、できれば上に、せめてこれくらいのレベルに…と願ってしまったりしがちだけれど。大学受験を視野に入れた、いわゆる座学の勉強だけでない、人間形成を中高6年間の学校に期待する我が家にとっては、偏差値表に載っている数字でなく、娘にとってどんなレベルかなのかなのだなと。

最後の試験に向かう、苦しい苦しい心境に、本当にグッときました。

これだ!と思いました。

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もちろん、憧れの学校を目指して努力することは尊いことで、そこに向けてコツコツと積み上げ、力をつけていくことは大事なことだと思います。

実力はこれくらいだからと最初から諦めて、上を目指さないのがよいということではありません。上を目指して努力することは、本当に尊い。

でもね、3年間の時を経て、私と姫はここまでだった。

受験の真っ只中、そして受験を終えた今も、姫は自分が3年間「全力ではなかったこと」を自認しています。それなりに頑張ってきたし、これでも結構苦しいこともあったくらい。

でも。基礎トレをサボって、ズルしてたこと。隠れて悪さしてたこと(!)。私が気づいていないこともあるかもしれないけれど、自分はわかってる。

だから、受験の時真っ只中にはそれを悔いていたし、私もそれならばもっと手綱を握るべきだったのかと迷いが生まれたりもしました。

もし私ががっつり手綱を握り、サボローを追い払い、全てのやるべきことに向かわせていたら、姫の力は今よりも伸びていて、「適正校」のレベルが違ったかもしれません。

でも私たちはそれができなかったし、強いていえば、私はそれをしたくなかった。

私たちのやり方ではここまでで、それが今の姫の実力。その力に応じた適正校の試験できちんと力を出して合格し、そこできちんと勉強に向き合っていくことって、大事なことなんだなと思うようになりました。

みなさんのお話を聞くと、本を読むのがとにかく好きで、テレビはほとんど見ないという子もいるし、勉強が楽しくて上へ上へと頑張る子もいる…でも、姫はそういう子ではなかった。

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私自身、大学卒業後の進路について、指導教授から大学院進学を勧められるも、みんなと違ってしまうことや就職への不安、想定外に学費がかかることなどなど…たくさんたくさん悩みまして。

そんな中、母に言われましたことがありました。

(近所に住む)◯◯さんのお姉さんみたいに、お化粧もおしゃれもしないでまで、研究がしたいわけではないんだよね?おしゃれもしつつ、でも研究もしたいのがあなただよね?…いいよ、それでも。行きたいならば。

…そう、私もそういう娘でした。

何はなくとも学問に打ち込むのも尊い、でも、「自分の譲りたくないもの」と学問を両立させたいのが私でした。

考え方によっては「甘い」のだろうけれど。でも、私なりには、当時を振り返って「もうやりたくないな」ってくらい研究に打ち込んだ。もっとやれる人もいるだろうけれど、私が私でありながら、やれるだけのことはやりきった…かな。

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姫は姫なりに苦しみ、頑張った。

もっとやれることはあったし、もっとやらせる方法もあるにはあった。でも、姫はそれをしたらもはや姫でないし、母もそれをしたくなかったのだから。このやり方で、届いた今の場所が姫の適正校なのかなと。

進学する学校は、きっと姫の「適正校」…。頑張れば上がれるし、油断すると下がる…適正校。

そんな学校に行くのが、とっても楽しみですおねがい

試行錯誤…うまくいかないことも、たっくさんあったけど、勉強する意味を考え、勉強の仕方を考えてきたこの3年間…反省を活かし、頑張れるといいね、姫。