女子学院中学の学校説明会に行ってきました。

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8時集合で、生徒さんたちと礼拝に参加のあとで説明という流れでした。説明会を平日の早朝にする理由は、①JGの教育の基本である礼拝に参加してもらうこと、②通学路を確認してもらうこととのことでした。

実際に、もぉぉぉぉし入学できたら通うであろう時間帯に電車に乗ってみて、乗車時には乗車率100%になっておらず、途中で超えた感じではありましたが、これくらいの混雑具合なら大丈夫そうだなとわかったのはよかったです。

礼拝には中学1年生が一緒に参加しました。生徒さんたちの様子を見ると、200数十名のうち10数名が制服で、あとは私服。でもその様子は特に派手でもなく、普通~でした。中にはファッションが好きなんだろうなという感じの子もいましたが、いろいろあってよいのだろうなと思いました。

私の母校は宗教ベースではありませんでしたが、所属していたガールスカウトの団が教会母体で、聖書や讃美歌になじみはあったので、懐かしい感じ…実践できるかはさておき、こうしたお話を聞いて、落ち着く時間を持つのはいいなと思いました。

礼拝終了後、生徒さんたちが退出されて、保護者説明会に。教育の基本方針は変わらないので、重複することがあるかもしれませんが…というお断りの上、院長先生による教育理念の話がありました。

そして、広報の方や先生から学校生活やカリキュラム、入試などについての説明がありました。春に参加した塾主催の説明会では、教育理念についてのみだったので、詳しく知ることができたのはよかったです。(逆に院長先生のお話は短くて残念でもありましたが)

学校生活については、自由であるけれど、学業の小テストのことなど…思っていたよりいろいろあるのだなと感じました。はっきり「放任ではない」とのことで、ちょっぴり安心。生活面についても、生活の手引きのような冊子を拝見したところ、さまざまな規定があることがわかりました(普通にあるくらいの内容で、厳しいわけではないです)。

また、自由な校風だからといってなんでもありなわけでなく、しっかりした教育理念に基づき、家庭とともに娘たちを導いていくという感じがしました。(保護者と同居の徹底、通学時間の規定、PTA活動、説明会への両親の出席など)

講堂の外に、生徒さんたちのさまざまな作品が展示してあったのですが、どれを見てもびっくりするほどきれい!文化祭の時に、何もかもきれいに作るものだな~と感心したのは、こういう日々の学習成果なのだなと納得しました。

ここに通ったら?なのか、そもそももちろんここに通えるポテンシャルを持っている生徒さんたちなのでしょうが、お話の中にあった通り、それを十二分に伸ばす環境なのだなと改めて感じました。


以下、説明会の内容です。



【教育理念】
キリスト教精神が基盤で、生徒一人一人をかけがえのない人格として受け止め、自らを収める高い知性と高尚な志、そして神と人に仕える自立した女性

継承される教育理念…形ある物は失われもし変化するが、根幹の理念は変わらない。だからこそ、その時代に即した教育の展開が可能である。院長先生のご専門である植物の未分化細胞が状況に応じて変化する例を挙げてお話されました。

【教育の4つの柱】
①キリスト教を土台とする人間形成
毎朝、礼拝から1日が始まる。聖書にきき、自分を省みる。自分と向き合う時間をもつ。

教育理念と自由な校風…初代院長の言葉「…聖書を持っています」は、責任を伴う自由であること。

自分だけが高学歴を得たり、社会で活躍するのではなく、常に周りに目をやって、進んで助けるための学び…山本つち先生の言葉「決して人の都合によって物事は左右されなかった。人の都合を第一にして何事も進めて行かれなかった。…今後いかに世が変わって行っても、この創立の時の精神が続く限り…そうした理念の学校に教育を受けたものとの誇りにいきてもらいたい。そしてその責任を果たしてもらいたい。」学んだものとしての責任を、巣立っていった社会で果たすこと。

②知識を統合する力
「答えはひとつ」の世界からの脱却することを目的とし、生徒参加型授業の展開、実習重視(理科実験多数、レポートありなど)、自主調査学習、作文指導(記述を通して思考力を培う)を実施している。

机上の学習に留まらない学び、事象の言語化における葛藤により思考力を培う。言葉の背後にあるものを見極める。また、借り物の言葉、知性ではなく、自分で培う知性を育てる。

教育界の大きな変動がある。従来の科学では、要素還元主義が主流だったが、パーツを詳しく調べるのだけでなく、パーツを統合して、総合的に物事を見ることが大切。

リベラルアーツは、自らをを自由(リベラル)にする。知識を身につけることでおわるのではなく、自己改革する。人とのコミュニケーション、様々なことに不自由さを感じなくなる。

自由人に相応しい学術、権威にとらわれない学び

絶対者(神)の下に等しくある。自分だけが偉いのではない、等しくある。これは、学問の自由を保障し、一人一人が大切にされる根拠になる。絶対者の下で、それぞれは違いを認めて存在しあえる。

プラトンの言葉「真実は、本当の事柄は書物に託しきれない」…体験の共有なくしては、真理の継承はない。教室外での学びとして、寝食を共にする宿泊行事類があり、またこれらは経験を通した学びとなる。

③バランスのとれた人間形成
知性と社会性を身につけ、他者を思いやり、互いに人格として尊重する。ありのままが受け入れられることで、他者を受け入れられる。

短期的にゴールを目指し、ゴールのためにするのではなく、現在の一瞬を一生懸命することで、未来が開ける。

欧米流の効率主義がすべてではない。競争の時代から、共存の時代へ。

人間の可能性を引き出すこと、人は受容された時に能力が開花する。だから大人の価値判断で先回りしない。(アインシュタインの初期の論文や同条件下で育ちの違うヒマワリの芽の画像の事例)

人間は違って当たり前だということを受け入れること(葉緑体の凸凹のはなし)。同じものを見ていても、同じに見えているとは限らない。多感な成長期だからこそまずせいとのありのままを受け入れる。

④社会に仕える人材の育成
単なる自己実現が目的ではない。

卒業生で山岳医となった方が、クリスマス礼拝での言葉に影響された話…「最高の学問を修め、最も貧しい人に活かしなさい」

知識偏重人間になって欲しくない。生きていくための知恵が必要である。

私たちが経験しない世界を生きる次世代に対し、
 先回りしない大人の賢さ、
 子どもの人格を認める大人の賢さ、
 待つことができる大人の賢さ
を持ってほしい。

以下は、広報の方や先生方から、パンフレットに基づき説明がありました。

【学校生活】
通学服は私服、カバンも自由(体操着、上履きは指定あり)。清潔で機能的で、学生らしいものとする。華美なものなどについては、教員からも声掛けをするが、家庭でも指導してほしい。ただし、例年それほど派手な生徒はいない。靴は軽くて履き良いもの、長靴などは靴箱に入るサイズのもの。制服は自由服の一つで、買わなくてもよい。

【カリキュラム】
・聖書の授業が週1、6年間、授業としてある
・高校2年まで文理に分けない。ただし、高校2年では2単位分、数学、オルガン、食物、被服などを選択
・高校3年は文理に分かれる。
・大学入試のための演習は2時間置かれている
・どの教科も同じようにおいている。基礎学力を充実させ、統合する力、自分で整理し、まとめる力が重要である
・総合的な学習の時間では、「JGと私」「共に生きる」「自分と社会」「命の尊厳」など、学年ごとにテーマを設定し、人間としての生き方を追求する

【学校時】
・8:10登校 15分から礼拝(7:30から学校に入れる)
・曜日によって礼拝が違う
・水曜日はLHRで、1610まで授業。水曜以外はクラブ活動など
・下校時間は夏季は1730、冬季は1700
・週5日制
・週30時間プラス総合的な学習の時間
・土曜日はクラブ活動
・二期制で、各学期中間と期末で、定期テストが年4回

【各教科と教員】
・6年間を通して計画されており、中学3年から高校の内容
・国語は中学でも古典文法
・英語は習熟度別でクラスを2分割、高校では学年を7分割
・理科は実験が多く、レポートを実施
・社会は普通だが、高校で近現代史
・家庭科の調理実習では、自分で自分のものを作る、自己責任(共同作業でない)
・授業がすべての基本であり、教師も熱心に取り組んでいる。教師間の打ち合わせも活発
・ミニテストが多く、細かく自分でチェックする(再試、レポートの再提出もある)
・シラバスのような印刷物はなし
・言われたことだけでなく、自分の勉強スタイルをみつけるように指導している
・補習、夏休みの特別授業はないが、必要に応じて個別対応。特に成績が継続的に芳しくない場合は、保護者とも相談あり
・自由放任ではない
・専任教員60名(男性が10数名、卒業生も10数名)で、中高両方を担当
・担任は中高を通して担当
・神様の前には生徒も教員も同じであり、人格の尊重する。一方的な指導ではなく、納得がいくまで話し合いを行う

【学校行事】
代表的なものとして2つ紹介
・10月 創立記念日は出校日で、振り返る日
・12月 クリスマス礼拝は、音楽、LHRで準備をする。保護者は出席できないが、保護者のためのクリスマス礼拝もある

【生徒活動】
・生徒指導の先生の元、生徒主導で実施する

【クラブ活動】
・自由参加だが、中学生はほぼ100%、高校は80%が参加
・クラブにより週2、3回と土曜日
・短い時間で熱心に活動している
・中1、224人のうち140名程度が文科系、88名が運動系に所属
・高校2年で引退

【施設】
・南館が中学生(遅れた場合は事務室を通る)
・図書館は5万冊蔵書
・購買部で文具、パンの販売(基本的にはお弁当)
・保健室、専任2名、助手1名が勤務。保健の先生は、授業も担当している。(普段の様子も見ることができる)
・保健室の隣にカウンセリングルームがあり、週3回開いている。50年以上続いており、学校カウンセリングの草分け的存在。担任とは独立しつつ、連携

【防犯】
・登校時の警備 2名のほか、24時間駐在
・保護者への連絡方法
・防災倉庫3日分備蓄


【PTA活動】
・JG会というPTAがあり、教育活動に協力
・クラスから各3名役員選出、委員会を月1回開催
・広報部が女子学院広報を年2回作成
・講演会、ボランティア活動、バザー(学校関係者のみ)など
・保護者の希望者による聖親会も不定期に開催
・役員外の来校
 5月 授業見学会(中1)
 6月 教育懇談会(保護者会)
 夏休み 個人面談
 秋冬 学年ごと、クラスごとに保護者会

【進路】
・大学受験勉強に主眼をおいていない。高校生としての総合的な基礎学力をつける
・持っているものを十二分に磨いて将来に活かす教育であり、特別な進路指導はない
・卒業生の話を聞く機会などがある
・国内外の様々な方の講演会
・進路指導室(2名)と担任が相談担当
・進路が多岐にわたっているのが特徴
・例年、56ー59%が文系
・センター試験はほぼ全員が受験
・指定校推薦がパンフレットに載せている以上に多数80校以上あるが、あまり使われていない。昨年度卒業生で推薦入試は11名のみ(指定校5名)
・浪人は2014年度が58名 24%、2013年度は46名 20%で、女子校にしては多いが、確固とした目標があるからと考えている

【英語教育について】
・中学での英語の授業は、英語を使って視野を広げ、考えを述べることを目標
・1年は3種類の授業
・クラスを2分割し、20数名で実施
・英会話は最初から英語のみ。日本人教員による日本語中心の文法の授業で、英語の授業を補う
・文法、単語のミニテストを多数実施
・多読・リーディングマラソン、ライティング・自己表現ノートを実施
・暗唱コンテスト、スピーチコンテスト、ディベートを各学年で実施。3年次のディベートが達成目標
・入学前に英語を学ぶ必要はない。様々な背景を持っている生徒が、過去の経験にとらわれず、積極的に使うことで力をつける。新鮮な驚き、発見、学問の面白さを感じてもらう授業

【実技科目について】
・心と体で感じることの大切さ
・学年対抗の体育祭の事例(統合力)
・知識だけでなく、実践を通して体験して学ぶ。知識偏重人間にならないよう、心と体で感じる感性のある学び

【学費】
・月額60990円、その他4月に教材費が約4万円
・寄付は中1の6月ごろ

【入試】
・通学は90分以内。学校側で路線図に黄色、青のマークを入れており、青のエリアの人は出願提出時に院長面接をし、最寄り駅からの時間などを個別に確認した上で出願できる。(千葉方面は、総武線は蘇我近辺、京成線はユーカリが丘、常磐線は佐貫あたりがブルーエリア…要確認)
・親元から通うこと
・4教科の試験、小学校からの報告書、面接による総合評価
・過去問解説などは公にはしていない
・志望の動機の記入は、本人でも親でもよい
・報告書は書式指定で、担任が記入。ただし、所見はなく数字だけ。特記事項はなしでよいが、欠席の理由は書く
・6年途中で転校の場合、出願時点での担任が記入
・窓口出願のみ(早くから並ばないように)
・ホームページで出願状況は確認可能
・持ち物などは出願時に渡される書面を確認…筆記用具、お弁当、飲み物
・上履き不要だが、天候不良で長靴などの場合は、玄関で履き替え、付き添いが持ち帰る
・携帯電話、参考書類の持ち込み禁止(持っている場合は終了まで預かり)
・待ち時間は高校生がお世話してくれる
・服装は調節できるもの。面接があるが、着替える必要はなし。筆記試験が受けやすい服装で可能
・面接終了時間のだいたいはホームページでお知らせする。番号通りではない
・試験の間の飲食は奨励も禁止もしていない。体調を考慮して各自対応
・面接終了まで保護者と会うことはない
・保護者控室は講堂だが、何もなく、待つだけなので、終了時刻に迎えに来るのがよい
・自分が使ったのではない新しい受験問題を持ち帰り
・保健室受験は学校が判断(希望はできない)、無理をさせることはないので、監督教師に任せる
・天候などにより交通機関が乱れる場合、当日の緊急連絡先に連絡する(通常と異なる)
・試験や合格発表時は混雑するので、5年生以下が下見をしたりしないように
・補欠合格は決めているが、発表はない
・補欠合格時は個別に連絡をする。不在で次に回すことはない
・各科目の足切り点はあるが、毎年、教科ごとに違う。ただし、とても低く、合計点で合格基準に達する生徒は気にする必要はない
・入学後の家族の移動、中学生は転居することを勧めている(家族は一緒が望ましい)
・通学エリア外への転居は、退学することになるが、高校2年途中までに戻れる場合は転入試
・転居、退学の場合は同盟校を紹介するが、入学できるかは先方の基準や判断による
・長期休暇中以外の留学は、1年間必ず1つの学校で学んでくるのは認める。留学単位として認定して、元の学年に戻るか、下の学年に戻るのも可能。ただし、この選択は出発前に決めることになっている
・中高一貫なので、高校の入学試験はない。他校への出願時点で戻れない

【合格後】
・2月13日 物品販売 親子で来校
・3月5日午後 保護者オリエンテーション(両親揃って)キリスト教、入学までの準備について、教会の紹介
・入学式までの課題はなし、英語も特に勉強することはない
・小学校生活をしっかり締めくくり、図書館に行く、お手伝いをするなどなど