結婚当初から「最後にいつ泣いたのか思いだせない」というほど泣かないMARIの夫・J。
そんな夫Jが、ある日、号泣します。
それは、私たちの子どもにまつわることでした。
実は我々夫婦は入籍後すぐから子どもを望みながらもなかなか妊娠が続かず、流産を繰り返していました。
その日、Jと私は一緒に水子供養に訪れていました。
説明するまでもないかもしれませんが、
水子供養とはこの世に生まれてこられなかった赤ちゃんがちゃんと成仏できるようにお寺などで供養してもらうことです。
まだ豆粒のように小さかった赤ちゃんでしたが、せっかく授かった子がお腹の中で亡くなってしまったため、供養してもらうことにしたのです。
そのお寺では専門の僧侶の方が観音様名前でお経を読み上げてくれます。小さなお堂に入れるのは夫婦1組ずつ。
受付を済ませて中に入ると、お経が始まりました。
唱えてくれたのは女性の僧侶の方。
私たちはその後ろに座り、目の前にあったロウソクのゆらめく炎をしばらく見つめていました。🔥
お経に詳しくない私は何を唱えているかちんぷんかんぷん。
どんなことを言っているんだろう?
赤ちゃんは無事に成仏できるのかな?
いろいろと考えていると10分ほどで女性が振り返って「ありがとうございました」と言い頭を下げました。
そして優しげな表情を浮かべながら、
今読み上げたお経の内容を説明してくれたのです。
「お二人の赤ちゃんは、お亡くなりになったあと、三途の川のほとりへやってきて、ひとりぼっちで、ひとつひとつ、石を積み上げていました。
子どもは一人で三途の川を渡れないので、天国へ行けません。そこで今回のご供養で、赤ちゃんをお迎えにいってもらえるようにお地蔵様にお願いしました。赤ちゃんとそっと手を繋いだお地蔵様は、一緒に川を渡り、天国に連れていってくれます。
赤ちゃんが無事に川を渡れるようにお二人も心を込めてお願いしてくださ、、、、ウフフッ」
赤ちゃんが無事に天国に行けていたらいいなぁと一人感動していたら
急に僧侶の方が笑い出しました
なんだろうと思って彼女の目線の先を見ると
「うっうっ、、、ズピッウッうう〜」
そこには号泣している夫の姿が
どう見ても泣かなそうなビジネスマンライクな外見の男性の、あまりの気持ちいい泣きっぷりに、僧侶の方が思わず笑ってしまったのです
急な展開に、「え?!私じゃなくて、まさかあなたが?!」とつっこんだMARI。
「だって、、、よかったね。赤ちゃん、お地蔵さんが天国に連れていってくれてよかったね。」
僧侶の方がニコニコして頷き、
なんだかお堂の中がほっこりした空気に包まれた瞬間でした
その時思いました。
私が今まで素敵だと勘違いしていた男泣きは「俺を守りたい」「俺が可哀想」の涙だったなぁ。
いい男の男泣きってのは「俺じゃなくて、家族のため」の涙なんだな。
改めてこの人いい人だなぁ。
あー、相手選び間違えなくてよかった!
以上を踏まえ、
婚活でお相手の男性に価値観の確認をする時
「最後に泣いたのはいつ?」
「どんな理由で?」
と聞いてみると、普段はなかなか見抜けない彼の本質が見えてくることもあるかもしれません