一昨年の春、
あんなに楽しそうに仕事へ向かっていた娘が、
ある日突然、電車に乗れなくなり、
動けなくなりました。

診断は「うつ病」。

理由は話してくれませんでした。
聞きたい気持ちは山ほどあったけれど、
聞けませんでした。

眠れない夜。
食べられない日々。
細くなっていく背中。
気付けば、
私の小学生の時の体重にまで
落ちていました。

親って無力ですね。
代わってあげることも、
背負ってあげることも出来ない。
ただ遠くで見ているだけ。

昨年の10月頃からでしょうか。
ほんの少しづつ
外に出られる日が増え
笑顔も増え
薬も増えていたのですが
変化を感じました。

そして教習所に通い始め
今月、バイクの免許を取りました。

スーパーカブに跨る娘の背中を見た時、
私は心の中で泣いていました。

これはもう、奇跡です。

昨年11月に入籍、
今年2月に引っ越し。
そして、うちのすぐ近くで
扶養の範囲内で仕事をスタート。
「社会復帰」なんて
大袈裟な言葉じゃなくていい。
でも、あの春を思えば、
これがどれほど尊い一歩か
私は知っています。

鬱はとても繊細な病気。

季節の変わり目。
何気ない一言。
ちょっとした環境の変化。
ストレス。
今もそっと見守る毎日です。

でもね、

ちゃんと前を向いて、
風を感じながら走り出した
娘を見ていると、
人の回復力って
本当に凄いと思うのです。

奇跡はある日突然起こるものじゃなくて、
静かに、ゆっくり、積み重なっていくもの
なのかもしれません。
まるで雪解けを待つ
春の花達みたいに。

今日もありがとう。

母は、心の中でそっと
拍手しています。おねがい