右側、水辺に建つ 王立スゥエーデン歌劇場/Royal Swedish Opera

この海を挟んだ向い岸には王宮があります

 

 

 

 

 

 

12月の小旅行ですっかり恒例になっていること

それは、訪ねた街にあるオペラ座での観劇です

 

12月の旅行だけとは限りませんが、こうして訪ねたヨーロッパの街にある、

数多くのオペラ座の知識が増えていくのは楽しいものです

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はストックホルムにある王立スゥエーデン歌劇場

滞在中くるみ割り人形の日程があったので、

事前にチケットを購入していました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王立スゥエーデンバレエ団、1773年に設立

パリオペラ座、デンマーク王立バレエ団、ロイヤルバレエ、マイリンスキー、

に次いで世界で4番目に古いバレエ団 なのだそうです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨーロッパにある歌劇場(オペラ座)は決して名の知れた有名なところだけでなく、

大抵どこでもこういった伝統の円形劇場です

 

 

 

小さな町の、地域に根付いた劇場も、

豪華な内装のミニチュア円形版といった感じのところは多くあっていつも感動してしまいます

 

 

こういったところで日常的に芝居やオペラ、バレエを観劇するということ自体が、

ヨーロッパに根付く文化だと思う瞬間でもあります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカンジナビアの国々は、

その他のヨーロピアンにとってもパイオニア的存在であって、

政治や環境への意識、生活スタイルなどが、

手本として比較されることが実はよくあるのです

 

 

 

 

私にとってはバレエに関してもかなり先鋭的な印象があります

こちらのカルチャー番組で時々見るスカンジナビアのバレエ団の舞台は難解で、

ほぼ踊りはなし と思うものまで・・・

私は今芝居を見ているのかバレエを見ているのか?と

思わず我に帰ってしまったり・・・笑

 

 

 

ということで今回のバレエも、

斬新なアイデアでアレンジされたものかなと思っていたのですが、

実際は 正統派くるみ割り人形 で、それが意外だと思ってしまったほどです

 
 
 
 
 

 

 

パリオペラ座のエトワールで活躍していたニコラ・ル・リッシュ/Nicolas Le Riche が、

一年前からこのバレエ団のディレクターに就任しています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オペラ座に入ったところにあったチュチュのツリー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スゥエーデン、バレエ・・・

私がこのキーワードから連想すること、それはマッツ・エックです

 

 

 

またしても個人的な話になってしまうのですが、

この振付家の作品からも私は子供の頃から大きく影響を受けています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私にとってのジゼルは、マッツ・エックのジゼル です

 

子供といっても中学生くらいにはなっていたはずですが、

その時に見たこのジゼルの衝撃をこうして長い年月が経っても忘れることはありません

 

 

 

 

衣装は白い病院服

ジゼルは精神病院の中にいます

原版と同じくアドルフ・アドンの切なくて哀しい曲が、

こんな奇想天外な展開に使われることで、さらにインパクトを助長させる

そのコントラストが何よりも美しいと思った、少なくとも私には・・・

 

 

 

 

 

どうしてなのか、それはきっと理屈なく、

私は子供ともいえる時代からこういう作品にものすごく引き込まれていて、

それがずっと生涯に渡って影響していくということを、今実感しています

 

本物のジゼルを全幕見たのはそれからだいぶ年月が経ってからのことでした・笑

だから私にとっては マッツ・エックのジゼル がいつまで経っても ジゼル なのです

 

 

 

 

 

 

伝統バレエを風刺したバレエ

行儀のよいバレエとしてはグロテスクと取られる表現

きっと好き嫌いに分かれる振付家なのだと思います

 

 

マッツ・エックは二年ほど前に事実上 引退 

その時、それまでの全ての作品を封印してしまったことで、

過去の傑作はそれこそ舞台ではもはや見ることはできません

 

どんなものであっても簡単に誰もが映像を見ることができる今の時代

マッツ・エックのこの話だけにかかわらず、

これは作品が一人歩きすることを守る一つの手段だとも思えます

 

日本で今 “コンテンポラリー” をやるべき、やらなくては という使命感や流行で、

やれノイマイヤーだ、やれバランシンと、こうした現代振付家の作品を、

公の場で踊る場合(たとえ素人であっても)著作権には十分配慮するべきだと思います

著作権とは懲罰にかかわることですが何よりも芸術作品に対する姿勢です

団体や指導者の モラル は、

日本に芸術文化を根付かしていく大きな責任があると思うからです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

********************

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、スゥエーデンを旅行してバレエを観ることになって考えたのが、

まずはマッツ・エックのことだった、という

ただ単なるいつも通りの自己満足な内容でしかないですが・笑

 
 
 
 
それにしても子供の頃に影響を受けたものというのは、

本当に生涯にかかわってくるものだと、

年齢を重ねれば重ねるほど強く実感することが多いものです

そういうことが年々自分自身を刺激し次々と心の中が発展していくという現象に、

私自身驚くばかりなのです

 

 

 

 

特に今、私自身がバレエという表現手段を使って、

心の中 が ある域 に達したことは、

そのあらわれの一つなのだと、そう思っています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 

数年前、Royal Swedish Ballet の木田真理子さんが、

マッツ・エック作 のジュリエット&ロメオ を演じ、ブノワ賞受賞で話題になりました

 

 

マッツ・エクが絶賛したというジュリエット

あの難解な作品、あの巨匠をうならせたのが日本人ダンサーだというのは、

やはりとてもうれしく思ったのです

木田真理子さん、すばらしい芸術家でいらっしゃるのでしょう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

劇場の中にはパリオペラ座のような豪華なフォワイエがありました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、観た くるみ割り人形について何も書いていませんが・・・笑

 

スゥエーデンではクララでもマリーでもなく Lotta だったとか(笑)いろいろありますが、

私は批評したり比較できるほど知らないだけです

 

 

 

 

ただ本音として、

私の中で想像していたスカンジナヴィアスタイルのくるみ割を待っていたのかな、

という気はします

つくずく私のような者は少数派なのだろうなと思ってはいます