船頭室はいつもラジオが流れていて、

朝何気なく聴いていたら勝村政信さんの番組のゲストが

松岡和子さんだった。


松岡さんはシェイクスピアの翻訳家で有名な方だが

私に翻訳家によってこうも小説が変わるのか?

と言う事を教えてくれた方だった。


私は芝居を観る前に出来るだけ原作を読むように

心がけているが、シェイクスピアは小田島さんが

ダントツに多いような気がする。

松岡さんは割と最近の翻訳が多いから図書館によっては

取り寄せてもらわなければならなかった。


でも、彼女の翻訳は本当に面白くてシェイクスピアが

堅苦しく無い事を私に教えてくれた。

「マクベス」「リア王」「オセロー」「ハムレット」

どれにも必ず現代に通じる人間心理が描かれていて

思いだしただけで舞台のシーンと相まって涙が出そうになる。


松岡さんの作品と勝村さんと言えば「マクベス」だけど

番組の中でマクベスとリア王の台詞を読んでいて

しかも「リア王」では

「おまえを知っている。おまえの名はグロスター」

の台詞で不覚にも思い出し泣き。いやーあれは反則。


平リア王と鋼太郎グロスターの名演技が蘇りました。

泣いたなぁ毎回。


松岡さんもお兄様が痴呆になられていて

家族の顔も名前も分からないのにふっと時々

「家族」って言ったりする。私はリア王のこのシーンと

一緒だと思うんです。と語っておられた。


なんだかとっても内容の濃い深いラジオだった。

かっちゃん、舞台お疲れ様。

次は鄭さんの舞台なんだね~