プエルタ・デル・ソルから王宮(Palacio Real)にかけての一帯は、ハプスブルク朝時代の面影が残る地域であり、マドリッドの町の原点と言われる場所だ。確かに、マヨール広場を中心とする地域に、狭い路地が続き、旅人に古きよき昔を彷彿させてくれる。


 しかし、マドリッドの王宮は私がイメージするモノと違う。その真っ白な姿はスペインの眩しい陽光のもとで強烈に目立ち、まったく歳月の重みを感じさせない、生命感の溢れるモダンな建築に見える。


荘周夢蝶-王宮

荘周夢蝶-王宮

 王宮の生みの親はスペイン・ブルボン王朝初代国王のフェリペ5世。フィリップ王子としてヴェルサイユ宮殿で生まれ育ったフェリペ5世は、1734年に焼失したハプスブルク王家の宮殿の跡に、フランス・イタリア風の王宮建設を命じたという。完成は30年後の1764年、これだけの規模を考えれば、工事がわりと速いほうといえるかもしれない。


荘周夢蝶-王宮のランプ

 王宮の中に2,700もの部屋があり、現在も公式行事に使われているらしい。残念ながら、中はやはり撮影禁止。最初は知らずにこの一枚を摂った。大階段の天井画が非常に美しい。 
荘周夢蝶-天井が美しい大階段

王宮を出て、私はアルマス広場の反対側にあるアルムデーナ大聖堂の階段にしばらく休憩をとった。目の前に座っている若い男性が妙な帽子をかぶっており、私にはどうしても四本のエビフライが立っていると見える。これって、本当に、エビフライなのかなぁ。

 
荘周夢蝶-エビフライの帽子?