サントゥスタッシュ教会の東にポンピドゥー芸術文化センターがあり、そこから更に東へ行くと、ピカソ美術館とコニャック・ジェ美術館がある。
ピカソ美術館はパリ3区のマレ地区の静かな一画にあり、入口がひっそりとした感じだった。17世紀の館を改造した同館にピカソの初期から晩年までの作品が収蔵されていることを聞いており、期待していた。
しかし、美術館の門がしっかりと閉ざされていた。扉に張り紙があり、「大規模な改装工事のため、2012年までの閉館」とちゃんと英語で書いてあった。
しかたがなく、ピカソ美術館から引き返して、道路の斜め反対側のコニャック・ジェ美術館(Musee Cognacq-Jay)に向かう。
ガイドブックの紹介によると、エルネスト・コニャックという人は屋台商人の出身で後にデパート「ラ・サマリテーヌ」を創設した人物。彼はロココの代表画家の作品など18世紀の美術品を蒐集し、そのコレクションを後に市に寄贈したのである。
今回、パリで訪ねた数々の美術館の中で、ここだけは撮影禁止になっている。しかも管理者の数がやたらに多く、展示品にぶつからないようにと、ショルダーバックを体の前にしてくださいなど数々の注文もされた。
まぁ、それにしても展示品のポイントを説明してくれるなど、親切なところもありましたが。。。
建物は1575年頃に建てられた洒落た邸宅ドノン館を利用したもの。
コニャック・ジェ美術館からすこし南下し更に西へ曲がるところに、サン・ジェルヴェ・サン・プロテ教会(St-Gervais St-Protais)がある。
ミラノで殉教した聖ジェルヴェと聖プロテ兄弟に捧げられたバジリカ会堂がかつてこの場所にあり、現在の教会は1657年に完成されたものだそうです。ファサードはパリで最初に古典様式を取り入れ、下からドーリア様式、イオニア様式、コリント様式と調和の取れた3段構成となっている。真ん中の段に二人の聖者の彫刻が左右に置かれている。
後期ゴシック・フランボワイヤン様式の天井。
この付近にヨーロッパ写真美術館のほか、ボーヴェ館やサンス館など16世紀~18世紀の風情が残る建物が多数あり、昔の貴族の世界の雰囲気を味わうにはもってこいの散策地域となる。
サンス館(Hotel de Sens)。この界隈に現存する最古の館。建物は15世紀末に建てられたものだが、メルヘンチックな情緒が溢れている。