
- 光武帝〈上〉/塚本 青史
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光武帝
『劉秀』の小説です
この光武帝は、中国歴代皇帝の中でも、トップクラスの名君です。
通常、建国の英雄という人物は
攻勢が得意な人物が多く
守勢の時代になると
政治音痴なトコを見せる人が多いんですが
光武帝は、全国統一後、部下を一人も粛正する事なく見事に国を治めています。
この光武帝に比肩する
人物といえば
唐の太宗『李世民』くらいですかね?
まぁ彼は、後継者争いで
兄貴殺してますけど・・・
この本購入当時
光武帝に関する本は
これしかなかったので
思いっきり期待して読みました
が・・・正直言って
正直言って、読むの疲れましたよ・・・
一回読んだだけじゃ
解り難かった感じです。
とりあえず
話の前半って
あまり歴史に関係ない
伏線の話が多すぎです・・・
『霍去病』の時の様に
『衛青』の様に、実在する人物が登場し
活躍するのならよいのですが
今回は、架空の人物が登場し、話が進んでいきます・・・
前半は、劉秀の若い頃の話と
赤眉軍がなぜ出来て
どの様に乱が拡大していったかが描かれます。
主人公の劉秀は、南陽劉氏の出であり、そこそこ名門ですが
『新』が出来てからは
南陽劉氏は、地方の一豪族的な扱いになっています。
その南陽劉氏の傍流で三男坊の劉秀は
周囲から、一応秀才と見られていますが
兄から疎まれており、兄弟仲は決して良くはない
といった設定になっていますね。
あっ、この小説には出てきませんが
劉秀の字は『文叔』です。いかにも三男坊って感じの字だね(^^)
多少粗暴な所があり
武勇を好む、兄・劉エンから見たら
優秀で理知的な性格だった劉秀は、何かにつけ気に食わないであり
だもんで、覇気がなく、優柔不断の愚物と決め付けて、コンプレックスを解消していた様です。
その劉秀は、この時代の
優秀な豪族の子のご多分に漏れず、首都である長安へ遊学。
この長安遊学のお付として
後に、雲台二十八将の筆頭であるトウ禹が早速登場します。
しかも姉の嫁ぎ先の親族として(;^_^A
その辺、ちょっと気になったので
調べてみたら・・・
どこにもんな事載ってないっすよ
これは、作者の創作ってヤツですね。
この話と平行して
赤眉軍の設立話が入るんですが
正直、そんな話に
こんなにぺージ割かなくても・・・
と思ったりしました。
簡潔に話すと
資産家の呂母という女性がいて
その息子が県令に殺されて
その復讐の為に資産のホトンドを使い
人を集めて、その県令を殺害した・・・
そして、そこで集まった集団が
赤眉軍になっていく
・・・まぁ、そういった流れです。
この赤眉の乱が起こった後血気盛んな劉エンは、挙兵します。
一方の劉秀は
この挙兵前に、半分騙された様な感じで
昔馴染みの李通という運送業者と挙兵して
兄とは違う軍を率います。
ちなみに、この李通は
後に、劉秀の妹と結婚し
『雲台二十八将』には入りませんが
三十二将には選ばれている功臣です。
史実では、兄が挙兵した後、その軍に参加するんですが
この小説では
後に兄と対立するんで
その伏線の為、先に挙兵した事にしたんでしょう、多分・・・
何せ、伏線が多すぎて
何がドコに繋がってるのかが、解りにくいんですよ(T_T)
で、劉秀が挙兵した時
すでにトウ禹が参加しちゃってたりします。
おいおいおい!
なんで最初から、トウ禹がいるんだよ!!
思わずツッコミ入れたくなりましたよ(;^_^A
トウ禹つったら
友人である劉秀が、河北制圧に苦戦している逆境時に
何百キロも離れた南陽から馳せ参じ
劉秀が友情の為にやって来たのか?と尋ねた時に
ただ、わずかな功名をたて、歴史に名を残す為に来たのです。
といって笑わせた
『功名を竹帛に垂る』
という諺の語源になる
名場面があるのに、何故ここで出すの?
しかも、この小説での
トウ禹の扱いひどすぎだし
新参者に嫉妬し
功名争いをして、すぐ敵陣に突っ込み敗北・・・
この繰り返しなんすよ。
トウ禹っていったら
『雲台二十八将』の筆頭ですよ!
劉秀から
『帷幄に謀を巡らし、勝利を千里に決する 』
といわれ、前漢の張良に比肩すると讃えられてるのに
知将の面影全くなしです(T_T)
確かに、大敗を喫して
フウ異に助けてもらったりした事はありますが・・・
作者が、どこまでトウ禹を調べたのか、ちょっと疑問が残ります。
挙兵した劉秀ですが
各地で、新軍と戦い武功を挙げながら、劉エン演と共に
南陽劉氏の本家である
劉元と合流。
その後、劉元が即位し
『更始帝』と名乗り朝廷を開くわけですが
その時、劉エンは大司徒に抜擢されています。
この小説での劉エンは
粗暴で、弟に嫉妬し
戦にでれば敗けてばかりで
最後は、弟にも見放され後
更始帝に暗殺されるというとても可愛そうな役ドコロでしが
十八史略なんかだと
とても勇敢で、劉元配下の武将のなかでも
ピカ一の存在だと書かれています。
部下が有能であればあるほど
上から警戒されるのが乱世の常で、次第に更始帝や
その側近から警戒されていきます。
その後劉エンは、不敬罪に仕立てられた
自分の部下を庇った事により処刑されます。
これ読むかぎりでは
りっぱな人ですよね?
まぁ、劉秀を引き立てる為なんでしょうが
ちと、酷すぎる気もします。
この劉エンといい
トウ禹の件といい
ここまでやると
ちょっと捏造っぽくなる気がします・・・
光武帝ファンの
田中芳樹に怒られますよ(;^_^A
話が長くなったんで
一旦ここで区切ります。![]()