『ひとを“嫌う”ということ』(角川書店)の著者で、哲学博士の中島義道氏は、「嫌い」という感情を抱く自己正当化の原因は8つに分類できると いう。妻と息子に激しく嫌われるようになったことがきっかけで、突如「嫌い」が人生最大のテーマになったという同氏。いわく、その苦しみから逃れる一番の 方法は、人を好きになることと同様、人を嫌いになることの自然性を容認し、嫌いを抑圧しない代わりに、嫌いが生ずる仕方をつぶさに冷静に観察することだと いう。
なぜ自分は人から「嫌われ」、また、人を「嫌って」しまうのか。早速、その要因を検証してみよう。
相手が自分の期待に応えてくれない
家庭
における弱者が、強者
に対して抱く大きな期待に応えてもらえなかった場合に起きがち。
子供は自分を捨てた親、可愛がってくれなかった親、ないがしろにした親を許さないし、また、妻は仕事でうだつのあがらない亭主、人生の戦いに負けた亭主
、家庭を省ない亭主を許さないなど。
相手が現在あるいは将来
自分に危害(損失)を加える恐れがある
かつて自分に危害
を加えた相手はもちろん、いつか近い将来、自分に危害を与えるのではないかという漠然とした不安を抱かせるような特定の人や、 自分の弱みを握る人が対象に。また、自分が困っていた時に世話をしてくれた相手に感謝しつつも、次第
に複雑かつ窮屈な心情に支配される恩をめぐる「嫌い」 もある。