安倍政権が集団的自衛権の行使容認の根拠に持ち出した1959年12月の砂川事件最高裁判決。事件の元被告で、有罪を決定づけた同判決に「司法の独立性に疑義あり」と、他の元被告らと再審請求した土屋源太郎さん(79)=静岡市=が29日、川崎市で講演する。土屋さんは「平和を愛する川崎の皆さんと討議できるのが楽しみ」と話している。 (山本哲正)
砂川事件は五七年七月に起きた。東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に入り、土屋さんや昨年亡くなった元川崎市議坂田茂さんら七人が刑事特別法違反罪で起訴された。
五九年三月、東京地裁の伊達秋雄裁判長が駐留米軍を憲法九条違反の「戦力の保持」として無罪判決を出したが、検察は高裁を経ず最高裁に判断を求める「跳躍上告」。最高裁は一審判決を破棄し、差し戻し審で土屋さんらは有罪となった。
近年、米解禁文書から当時の田中耕太郎最高裁長官が駐日米大使らに裁判の進行の見通しなどを細かく報告していたことが明らかになり、土屋さんは「評議の秘密を定めた裁判所法に反し、憲法が被告人に保障する『公平な裁判所』ではなかった」と主張する。
その最高裁判決
が示した「わが国がその存立を全うするために必要な自衛の措置
をとり得る」との憲法解釈。これを根拠に挙げ、憲法解釈変更
の閣議決定などを進める安倍政権を、土屋さんは「国民主権
や立憲主義を根底から覆し、戦争
をできる国にしようとしている」と批判する。
会場は中原区
の中原市民館で午後六時半から。演題は「いま考えよう砂川裁判。日米安保・基地の現在」。
