前回使ったのは、いつだったろう。
街の電話ボックスは姿を消し、財布の中のテレホンカードも、もう行き場を無くしてしまった。
人は、自宅の電話番号さえ覚えなくなり、手帳をめくるかわりに、ケータイのマニュアルと首っぴき。
待ち合わせの場所も時間も打ち合わせる必要がなくなった便利さと引き換えに、誰かを待つとか、待たせるという気持ちの機微を失った。
電車の中、本や新聞よりもケータイを眺める人が多い光景は、やはり、なんとなく恐ろしい。
かく言う私も、電車でこの記事を書いている。
せめて、便利さの代償として失うものが、その便利さよりは小さいものであるように心がけよう。
