その昔、因幡の国に、ギター収集が趣味で冒険好きの白うさぎがいた。
白うさぎは、自分の冒険心を満たすため、いつか、この海岸からすぐ沖にある島に渡りたいと思っていたが、この海には、「グーザメ」という名の恐ろしい大のギター好きの大サメがおり、泳いで渡るには食われてしまうという危険をおかさねばならない。
そこで、ある日、白うさぎは、グーザメを呼び出し、「私のギターの本数とあなたのギターの本数をくらべっこしよう」と持ちかけた。ギターの材を見せてくれと言いつつ、実は、海に浮かんだギターのバックを飛び石にして島に渡ってやろうという魂胆だった。
それを聞いて喜んだグーザメは、持っているギターを全て海に浮かべた。
すると、白兎は、そのギターをぴょんぴょん飛びながら、数え始めた。
ところが、この時点でグーザメは、この白うさぎを食うために一計を案じていたのだ。
白うさぎが島にあとすこしでたどり着くという時、最後に浮いていたのは、ギターではなく、野球のバットだった。グーザメは海の中で、野球の監督もしているらしく、ギターの代わりにバットを浮かべていたのである。
まあ、白うさぎがこのバットをクリアーしても、次に浮いているのは、キャッチャーミットだったから、いずれにしても結果は同じだったのだが。
さすがに身の軽い白うさぎでも、バットに乗った瞬間、バットが回り、海に落ちてしまった。
落ちて、ばたばたと犬かきならぬ、うさぎかきをした。この話には関係ないが、偶然、その横を大きな犬の皮をかぶった人間が流れていたそうな。
グーザメは、海でもがく白うさぎに食いついた。そして、その皮を食べてしまったのだ。
白うさぎは、必死で命乞いをし、命を助けてもらうかわりに、命の次に大切なギターを差し出した。それには鳩の絵がついていたそうな。
丸裸になりながらも命の助かった白うさぎは、浜辺で横たわっていた。
そこへ通りかかったのは、これもまたギター好きのオオイッチャンノカミ。苦しんでいる白うさぎを見てこう言った。
「早く治そうと思えば、私に1本ギターを渡しなさい。そうすれば、身体を治してあげよう。」
白うさぎは言われるままに、黒いギターを渡した。これには、バラの絵がついていたそうな。
オオイッチャンノカミは、「ちょっとまってね」と蒲をとりに行くふりをして、そのままどこかへ行ってしまった。
そこへ今度は、演奏家Z’B(ズービ)の地方公演を聴きに行った帰りのかなり太った、大きな神様が通りかかった。名前はオオマレスケノミコトという。
オオマレスケノミコトは袋の中から、蒲の穂を出した。そして、苦しんでいる白うさぎにかけてやろうと思ったが、その白うさぎの横に、なんと、鶴が傷ついて横たわっているのを見つけたのだ。
オオマレスケノミコトは、何かぶつぶつつぶやいていた。(鶴の恩返し・・・)
そして、結局、オオマレスケノミコトは、白うさぎにはなにもせず、鶴の方に蒲の穂をかけてやったのでした。
結局、大切なギターを2本とも取られ、しかも、傷ついたまま置き去りにされた白うさぎ。
オオマレスケノミコトがZ'Bの稲葉さんのファンだったこと、そして、あまりにもひどい仕打ち。
人々は、この出来事を哀れんで、この兎を「稲葉のひどうさぎ」と呼ぶようになったそうな。
