なかなかみんなに混じって参加出来ずにいた

 サッカースクール




 ベンチに座り遠くから見守っていたけれど

 コートの端に座り込んでなかなか動かない




 このまま何もせずに1時間を過ごすのかなと

 コーチたちがどう関わってくれるのか見ていると




 中心になってやっている一人のコーチが

 “マレ”という名前を何度も呼んで誘ってくれている




 そのうちに少しずつマレの近くに寄って

 何を話しているのかすべては聞こえなかったけれど

 たくさん声をかけてくれていた




 「マレ、シュートやろう」


 「お母さんに見てもらおうよ」




 その言葉にわたしを探すマレが見えた




 コートの近くに寄っていきマレに手を振った

 まわりのみんなも見ている




 すると重い腰を上げてコーチに近寄り

 ボールを渡されて蹴りながら走り出した




 シュート!!




 ゴールにボールが吸い込まれて

 まわりの保護者からも拍手が届いた




 マレはちょっとにやっと笑って

 コーチの所に戻っていった




 「マレすごいじゃん!」




 たくさん褒めてもらうとやる気になったのか

 その後何度かシュートをきめることができた




 前進、前進




 たった10分程度だったけれど参加することができた




 こんな風に色んな人が関わってくれて

 見守ってくれて本当にありがたいなと思う




 サッカーが出来るようになることよりも

 こうやって人との関わりや信頼関係から

 たくさんのことを学んでほしいと思う




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