このブログは当時の日記をたどりながら
ダウン症をもった希(マレ)を妊娠、出産、現在までを
詩と物語で綴っています
【70話】無力な母
マレを撫でた途端に涙があふれた
必死に堪らえようとしたけれど
堪らえようとすればするほどに涙があふれた
担当医師が隣で何か言っていたけれど
耳に入らなかった
夫が来てもう一度
いっしょに話を聞くことになった
色々と説明を受けたけれど
自分たちにできること祈ることだけだった
母親なのに祈ることしかできない
泣くことしかできない
何もできない
無力な自分に涙が止まらなかった
翌朝から手術となった
『どうか手術が成功しますように。そしてミルクが飲めるようになりますように。』
つづく