はじめて歩いた日は | 西から太陽

はじめて歩いた日は

あれは冬のある日。

参加劇団の公演のスポンサー取りに商店街を回るという事になった。


まったく無関心だった彼以外の人には気持ちバレバレだった私は周りのお姉さん方のお取り計らいにより、彼と二人で出掛ける事に。



と言っても、自力で交渉を頑張った記憶など全くなく、



思い出せるのは…とても寒かったという事と、自販機でおしるこを買ってもらったのと、「好きな人とかおらんの。」と聞かれた事しか覚えていない。



彼にしてみればきっとからかう意味合いで、子供扱いする事でその場を繋いだのだろうが、



私は



今も昔も肝心な事がはっきり言えない私は


心の中で精一杯「目の前のあなたですが。。」と。うじっとしていた記憶がある。