時を定めて他界から来訪する
霊的もしくは
神の本質的存在を定義する
[1]折口学の用語。
折口信夫の
思想体系を考える上でもっとも重要な
鍵概念の一つであり、
日本人の
信仰・
他界観念を探るための手がかりとして
民俗学上重視される。
外部からの来訪者(異人、まれびと)に宿舎や食事を提供して歓待する風習は、各地で普遍的にみられる。その理由は
経済的、
優生学的なものが含まれるが、この風習の根底に異人を異界からの神とする「
まれびと信仰」が存在するといわれる。
「まれびと」の称は
1929年、民俗学者の折口信夫によって提示された。彼は「客人」を「まれびと」と訓じて、それが本来、神と同義語であり、その神は常世の国から来訪することなどを現存する
民間伝承や
記紀の記述から推定した。折口のまれびと論は「国文学の発生〈第三稿〉」(『
古代研究』所収)によってそのかたちをととのえる。右論文によれば、
沖縄における
フィールド・ワークが、まれびと概念の発想の契機となったらしい。