スラップ・ハッピー | ノイズのなぐさめ

ノイズのなぐさめ

歪んだ美意識。
ちっぽけ 些々たる しがない
たわい無い 些末 末梢的
スマート、スィート、デンジャラス
大切なのは長く働くこと。

 
1970年代に現れ、数枚のアルバムを残してすぐに解散。その後1998年、20数年ぶりに復活し素晴らしいアルバムを発表し世界を驚かせた後、再び消えていった伝説のバンド。それがスラップ・ハッピーという不思議な名前のバンドです。「スラップ・ハッピー」とは、ボクサーが殴られた時にフッと気持ちよくなる「パンチ・ドランカー状態」の気分をさす言葉で、そこから派生して呑気で楽天的な「なんとかなるさ」的な生き方を表す言葉として用いられているようです。(そこにはドラッグによるハイな精神状態のことも含まれていたのでしょう)
 しかし、彼らが残したアルバムは、単にお気楽でハイなムードのポップ・ミュージックではありません。美しいメロディーと複雑な構造、そしてセンスの良い編曲によるポップなサウンドではありますが、その歌詞は怪しく輝くナイフのような危険な美しさをたたえています。
 70年代に彼らが残したアルバムは、その時点ではほとんど話題にならなかったにも関わらず、確実に聞く者の心に忘れられない傷を残しました。だからこそ、1998年になって彼らの新しいアルバムが発表されると、その話題はあっという間に世界中に広まったのでしょう。世の中はやっと彼らの音楽を楽しめるところまで成熟したのかもしれません。